白米より「5分づき」がおいしいかも!? コメ不足で注目「コイン精米機」あなたの家の近くにも

J-CASTニュース

   政府備蓄の古古米、古古古米は、販売が始まったとたんに店頭でもネットでもたちまち完売となり、精米が間に合わず、玄米のまま売るスーパーやお米屋さんも出てきた。購入者は自分で精米することになるが、やったことがない人がほとんどだろう。でも、別に難しいことではない。

玄米から糠と胚芽を取り除くのが精米

   まず、精米とはどういう作業か。刈り取ったコメは乾燥させ、籾殻を取り除いて玄米にする。いわゆる脱穀だ。その玄米から糠(ぬか)と胚芽を取り除くのが精米で、それらをすべて取り除くと白米になる。半分取り除くと5分づき、7割なら7分づきだ。

   精米には精米機が必要だが、家電量販店などで家庭用のものも売られている。1台1万5000~2万円。ただ、中型炊飯器くらいの大きさなので、使わないときの置き場所に困りそうだし、この先も使い続けるかわからない。だったらコイン精米だ。東京でも都心部を除けば、住宅街を外れたあたりに見かけるが、ネットで調べれば自宅近くの精米所を教えてくれる。料金は精米度合いによって10キロまで100~200円。また、精米機を設置しているスーパーも多い。玄米を購入したら、こうしたところに持ち込めばいいわけだ。

ご飯は精米したてがふっくらおいしい

   では、自分で精米したご飯はおいしいか。精米したての白米を炊くと、いつものご飯よりふっくらしていて、風味を強く感じるが、5分づきでも十分おいしい。

   2025年5月30日放送の情報番組「ゴゴスマ」(CBC・TBS系)で、5分づきと白米を食べ比べて、コメンテーター全員が「5分づきがおいしい」と太鼓判を押した。石塚元章さん(CBC特別解説委員)は「おかずが少ないときは、こっちのご飯ですね」、お笑いコンビ「ますだおかだ」の増田英彦さんも「おにぎりにしたら、具がいらん感じがするけどね」という。白米を食べつけていても、5分づきくらいなら食感に違和感はなく、コメそのものの味わいはむしろ深いということらしい。

健康には玄米が良いとファンもいる

   玄米は栄養面でも優れている。ビタミン・ミネラル、食物繊維が豊富で、白米にするとその95%が失われてしまうが、5分づきなら半分は残る。

   江戸時代に「江戸患い」という病気があった。参勤交代で江戸に出てきた侍たちが、倦怠感に悩まされ、手足のしびれやむくみを発症、重症化して死亡する者も少なくなかった。脚気である。国元では玄米を食べていたのに、江戸に出てきてからは白米ばかりとなり、ビタミンが欠乏してしまったのだ。

   今回の政府放出米に限らず、普段から玄米はおすすめというわけだが、置いてあるスーパーやコンビニは少ない。玄米ファンは農家から直接購入したり、生協を通じて取り寄せたりしている。地元の玄米を売っている道の駅も増えた。これをきっかけに、7分づきくらいから始めてみてはいかがか。

   そうそう、玄米を白米にすると、ぬか・胚芽部分が削られるので分量は1割ほど目減りする。玄米5キロだったら白米は4・5キロ。まあ、ぬかはナスやキュウリのぬか漬けを作るとか、家庭菜園の肥料に使えばいい。

(シニアエディター 関口一喜)

記事提供元:タビリス