ホンダ「6代目プレリュード」に熱い期待感 「操る喜び」実現する次世代技術「Sプラスシフト」
2025/6/8 16:00 J-CASTニュース

2025年デビューする新車のうち、クルマ好きが注目する一台は、間違いなくホンダの新型プレリュードだろう。ネットやメディアでは、早くも「新型プレリュードは注文が殺到し、納車まで何年も待たされるのではないか」などという予想が飛び交っている。
徳大寺有恒氏はハンドリングを絶賛した
ホンダプレリュードは1978年に初代がデビュー。当時、FFのスペシャリティーカーは珍しかった。自動車評論家の故・徳大寺有恒氏は初代プレリュードのハンドリングを「FFの癖がない」と絶賛した。初代プレリュードは当時のFFに顕著だったアンダーステアが少なく、ホンダらしいスポーティーで進歩的なハンドリングだった。
プレリュードは87年発売の3代目がデートカーとも呼ばれ、日産シルビアと人気を二分した。当時、2ドアクーペのスペシャリティーカーとしては、格上のトヨタソアラや日産レパードがあったが、プレリュードは実力と人気の両面でソアラなど上級車を凌駕していた。
そんなプレリュードは80年代から90年代にかけ、ホンダを代表する進歩的な人気車だった。しかし、その後のミニバンやSUVの台頭で、2ドアクーペの市場は世界的に縮小していった。プレリュードも2001年、5代目で販売を終了した。
現在、2ドアクーペはスポーツカーが大半で、トヨタGR86とスバルBRZ、日産フェアレディZ、マツダロードスター、ダイハツコペンくらいになった。そこへホンダが「2ドアクーペ復権」をかけて投入するのが新型プレリュードというわけだ。
電動化時代に継承されたスポーツカーマインド
6代目となる新型プレリュードは、2023年10月の「ジャパンモビリティショー」でホンダがプロトタイプを初公開。メディア向けの記者会見で、ホンダの三部敏宏社長は新型プレリュードについて「本格的な電動化時代へ『操る喜び』を継承する、ホンダ不変のスポーツマインドを体現するモデルの先駆けとなる」と力を込めた。
その後、ホンダは2025年1月の「東京オートサロン」で、エアロパーツを装着したカスタマイズモデルを公開。4月のレッドブルとのイベントでは新型プレリュードのインテリアを公開した。
それに先駆け、ホンダは24年12月、ホンダ独自の2モーターハイブリッドシステム「e:HEV」の次世代技術として、エンジンとモーターを制御してレスポンスを高める「ホンダS+ Shift(エスプラスシフト)」を新型プレリュードに搭載すると明らかにしている。
この「Sプラスシフト」こそ、三部社長が主張する「ホンダの操る喜び」を体現するものらしい。
2ドアクーペの復権なるのか
ホンダは「Sプラスシフト」について「パドル操作の変速で、まるで有段ギアを変速したようなドライブフィールを実現する。エンジンと大出力モーターの協調がもたらすリニアな変速レスポンスによって、ドライバーの操作にダイレクトに呼応し、操る喜びを提供する」と説明している。
この「Sプラスシフト」の「S」には、「S600やS2000など、ホンダのスポーツスピリットを表す『S』に加え、『Synchronize』『Special』『Sensational』など、新たな価値をプラスし、新たな世界に『Shift(シフト)』させていくという思いが込められている」というから、ホンダファンにはたまらないだろう。
いずれにしても、新型プレリュードは年内に発売となる。パワーやトルクなど「走り」の詳細はもちろん、発売価格の発表もこれからだ。果たして前評判通り注文が殺到し、2ドアクーペの復権となるのか。どうしても購入したいホンダファンは、今からディーラーと予約方法などを相談した方がよいかもしれない。
(ジャーナリスト 岩城諒 )