東京メトロ、クレカのタッチ決済導入へ JR東日本、「ウォークスルー改札」実証実験 変化の時を迎える駅改札

J-CASTニュース

   「クレカタッチ決済」の快進撃は、依然としてその足を止めていないようだ。

   2025年7月24日、東京メトロは来春からタッチクレカを使った後払い乗車サービスを始めると発表した。首都圏に新たなタッチ決済乗車路線が登場することが確実となった。

   日本各地の公共交通機関での導入が進められているタッチ決済。だが、東京メトロでの利用の場合は注意すべき点もあるという。

東京メトロ、タッチ決済導入は26年春

   東京メトロによると、東京メトロ全線において、タッチ決済対応のカード(クレジット・デビット・プリペイドも含む)や、同カードが設定されたスマートフォン等のタッチ決済による後払い乗車サービスを2026年春に開始する。

   これにより、事前に乗車券を購入することなく、タッチ決済対応のカード等を自動改札機のリーダーにかざすことで、そのまま自動改札機を通過し、東京メトロ全線を利用できる。サービスの詳細などは後日、発表される。

   なお、東京メトロが導入した決済システムは三井住友カードの「stera transit(ステラトランジット)」。現在のタッチ決済乗車の急拡大は、このStera Transitが背景にある。

   タッチ対応クレジットカード、デビットカード、国際クレカブランドが付与されているプリペイドカードを使った乗車、スマホに搭載したクレカなどが利用できるようになれば、たとえば外国人観光客の利便性もさらに高まりそうだ。もちろん、普段の買い物は専らクレカを使うという人にとってもありがたい話である。

   ただし注意したいのは、東京メトロの路線図に含まれているが、他社管理の駅へ行く場合。今回のタッチ決済乗車対応は、あくまでも乗車駅・降車駅共に東京メトロの駅である場合のみ。他社乗り入れの路線を利用した場合、タッチ決済は利用できない。

JR東日本は「Suica」の進化に注目

   一方、JR東日本は「Suica」の進化に注目だ。

   JR東日本は24年12月、今後10年間のSuicaの機能充実を見据えた『Suica Renaissance』という計画を発表。その中で注目を浴びたのが、従来のタッチ&ゴーに代わる「ウォークスルー改札」だ。

   25年秋から、上越新幹線の新潟駅と長岡駅で顔認証式自動改札機の実証実験を開始する。タッチしないやり方で、ユーザビリティの向上を模索しているのだ。

   「Suica」のような交通系ICカードのアドバンテージとして、認識パッドにカードをかざした際の反応速度があげられる。

交通系ICカード自体が当初から世界一の通勤ラッシュ地域・東京での自動改札利用を想定しているため、反応速度に関しては利用者の足を止めることのないよう繊細な調整がされている。

   このアドバンテージをタッチクレカが崩すことはできるか。

(澤田真一)

記事提供元:タビリス