辞任のサントリーHD・新浪会長、家宅捜索の翌日から9日間米国出張 なぜそんなことが許されたのか

J-CASTニュース

   サントリーホールディングス(HD)は2025年9月2日に記者会見し、代表取締役会長の新浪剛史氏が、適法との認識で購入したとされるサプリメントについて警察の捜査が行われたことを受け、1日付けで辞任したと発表した。

   会見での説明によると、新浪氏が会社側に捜査について報告したのは8月22日。そういっ状況でも、新浪氏は翌23日から9月1日まで米国に出張に行っていたという。

出張の予定は「少なくとも半年以上前から」

   サントリーHDは捜査については「当局の判断に委ねるべきと考えている」とした一方、「サントリーグループのトップマネジメントとして、法令に抵触しないことは当然であり、サプリメントの購入に当たっては、しかるべき注意を払うことが不可欠の資質」とし、新浪氏が「要職に耐えない」と判断。新浪氏と協議のうえ、辞任することになったとした。

   2日の会見に出席したサントリーHD代表取締役社長の鳥井信宏氏の説明によると、8月21日深夜に新浪氏から自身が購入したサプリメントについて疑義が生じている旨連絡があった。22日昼頃に、新浪氏から警察からの捜査を受けた旨の連絡があった。この捜査の様子は、福岡放送(FBS、日本テレビ系)が映像付きで報じている。福岡県警が8月22日、麻薬取締法違反の疑いで、東京・港区にある新浪氏の自宅の家宅捜索を行ったという。

   これを受け、外部弁護士による新浪氏のヒアリングを行った。その後、同社は緊急対策本部を設置、26日に取締役会を開催。取締役では新浪氏本人から説明があったという。28日に新浪氏をのぞく全取締役・監査役で会議をし、新浪氏に辞任を求める方針が決まったという。9月1日に新浪氏と改めて話し合いをし、そこで、新浪氏から辞任の申し出があり受理したとした。

   このうち、新浪氏は8月23日から9月1日まで、サントリーに関する業務のため米国に出張に行っていたという。28日の取締役会は、リモートで参加したとしている。

   サントリーHDは、22日にはすでに新浪氏が警察の捜査を受けたことを把握していたはずだ。報道陣からなぜ海外出張と取りやめなかったのかを尋ねられると、取締役副社長の山田賢治氏は、出張には秘書も同行したほか、22日の外部弁護士によるヒアリングの中で出張は「警察の妨げになることではないと確認の上」で行ったものだと回答した。

   出張先での業務は、米国に本社を置くサントリーHDのグループ会社・サントリーグローバルスピリッツの大規模なイベントに関することで、山田氏は出張の予定は「少なくとも半年以上前から入っていたと思います」とした。

   サントリーHDの会見では、事案そのものや新浪氏が購入したとするサプリメントに関する詳細については、「警察が捜査中のため」として回答を控えていた。

記事提供元:タビリス