JR東日本「指定席券売機」が変わる シンプル画面で切符買いやすく...使いにくい「えきねっと」はそのまま?
2025/7/8 18:00 J-CASTニュース

東京圏では続々と「みどりの窓口」が減っていて、その代わりに「指定席券売機」が置かれるようになった。オペレーターと話しながら困りごとを解決する「話せる指定席券売機」というのもある。
しかし、切符のルールは複雑で、指定席券売機でわけもわからず切符を買うのに格闘するのは大変だ。
単に東京駅から新幹線で仙台に行くだけでも、指定席で行くのか自由席で行くのか、あるいはルートを指定してそこから買うのかという問題がある。「グリーン車やグランクラスはどこ?」ということもある。
そういえば「えきねっと」で予約した切符は、どうやって受け取るのかなあ? 探しにくいなあ。
そう思って指定席券売機に向かう人が大半なのではないだろうか。
まず「きっぷを買う」に焦点をあてる
指定席券売機に来る人は何をしたいか。まずは特急や新幹線を含む紙の切符を購入したいのである。その次に「えきねっと」で予約した切符を受け取るためだ。また、定期券を買ったり、切符を払い戻したりしたい人もいる。
そのあたりにフォーカスした「指定席券売機」を、JR東日本では2025年7月から順次導入することになった。従来からある指定席券売機も、新しいシンプルでわかりやすい画面にする。
どんな画面か?
まずは「きっぷを買う」の表示を大きくした。これまであった「指定席」「自由席」「乗換案内から購入」などをひとつに集約し、切符を買いたい人はここをタッチしてもらうということにした。
すると、「乗換案内から購入」が出る。たいていの人は、どこからどこへ行くかを考えて切符を買う。わざわざ指定席券売機で買う人は、直後の列車に乗りたい人が多いだろう。出発駅はたいてい切符を買う駅に設定されており、到着駅を選択し、乗車人数などを入力する。
一般の人が切符を買うときの動きを意識して、ユーザーインターフェースが設定されている。
乗車列車を希望する人は、その下の「新幹線」「特急」「新幹線と特急」などをタッチし、その他の切符として「乗車券のみ」「入場券」「おトクなきっぷ」「株主優待」といったものがある。
払い戻しも簡単に
現在では乗車予定の新幹線・特急が運休になった場合、指定席券売機では切符の払い戻しはできない。10月1日以降は、運休が決まった切符は利用者自身の操作で払い戻しが可能になる。
また、JR東日本の指定席券売機では2時間以上遅れた新幹線の切符の特急料金払い戻しができる範囲が拡大する。東海道・山陽・九州・西九州新幹線の切符を払い戻すことができる。またグリーン車やグランクラス、乗車券と特急券が一体になった切符の払い戻しも可能になる。
ユーザーインターフェースの改良で、指定席券売機は使いやすくなる。
さて、JR東日本関連のサービスで「使いにくい」「使いづらい」と言われるのは、「えきねっと」である。
ウェブ版「えきねっと」の操作が面倒
「えきねっと」は、スマホアプリ版とウェブ版(スマホとPC)がある。スマホアプリ版はチケットレス専用である代わりに、新規申し込みから乗車駅と到着駅、乗車日などを入力して簡単に切符を購入することができる。
問題は、ウェブ版である。経路を入力して切符を購入するようになっているが、新幹線ならeチケットか在来線ならチケットレス特急券か、乗車券を別途購入するかしないかなど、選択肢が複数提示される。
そのあとログインをしなくてはならず、「えきねっと」のログインは画像認証などわりと手間である。
複雑な切符をつくるには、非常に面倒なものになっており、間違ったらやり直しということも多い。
正直なところ、スマートフォンでウェブ版を使うのは面倒なものであり、PCに向かって時刻表を片手に操作するのがラク、という状況である。
スマホアプリ版でチケットを発券するタイプの予約もできたら、と思う次第である。
その際には、「指定席券売機」のユーザーインターフェースを参考にしてほしい。(小林拓矢)
筆者プロフィール
こばやし・たくや/1979年山梨県甲府市生まれ。鉄道などを中心にフリーライターとして執筆活動を行っている。著書『京急 最新の凄い話』(KAWADE夢文庫)、『関東の私鉄沿線格差』(KAWADE夢新書)、『JR中央本線 知らなかった凄い話』(KAWADE夢文庫)。