話題の「Apple Intelligence」、2か月使ってみて実感 「メール要約」と「自動返信生成」は優秀
2025/6/9 12:10 J-CASTニュース

2025年4月1日に日本語対応したアップルが開発したAIシステム「Apple Intelligence」。これが使えるようになったiPhoneは、具体的にどこがどう便利なのだろうか。
いま、「AIスマホ」がもてはやされているが、果たしてAIスマホに何ができるのか。また、AIスマホは生活をどう変えるのか。
筆者が実感した「Apple Intelligenceのおかげでライフスタイルが変わった!」と断言できる便利な機能を2つ紹介したい。
メール本文の「結」だけを表示
Nintendo Switch2の発売日だった2025年6月5日。任天堂やAmazonなどからの抽選販売の当落メールを待っていた人もいたことだろう。
しかし、Apple Intelligence対応のiPhoneを使えば、このメールを開封することなく当落をチェックすることができる。なぜなら、Apple Intelligenceはメールの内容を要約し、それをタイトルの下に記載してくれる機能があるからだ。「Nintendo Switch2、抽選販売当選」という具合に。
この要約機能は、大部分が形式的な文章で構成されているメールの起承転結を認識し、「結」だけを先に出してくれる。言い換えれば、冗長なメール本文を読む必要はなくなるということだ。これが日常生活の中の「時短」を達成してくれることは間違いない。
「お祈りメール」の中身も容赦なく
しかし、この「メール要約機能」は人によっては精神衛生上、よくない効果をもたらしてしまう可能性も......。
Nintendo Switch2の当落メールにしても、当選だった場合はApple Intelligenceの便利さを実感するだろうが、落選だった場合はどうか? メールを開封する以前に結果がわかってしまうため、むしろ精神的ダメージが大きくなってしまう......かもしれない。
これは、いわゆる「お祈りメール」も同様だ。
日本のメール文化には、ネガティブな内容でも「今後のご活躍をお祈り申し上げます」というような定型文を設ける。これは一種のクッションでもあるが、Apple Intelligenceはそれすらも「ショートカット」していきなり結論をユーザーに提供してしまうのだ。
SMSでの返信を自動生成
逆に、Apple Intelligenceは、定型的な返信を生成してくれる機能も有している。
相手の電話番号に直接メッセージを送るSMSは、プライベートだけでなくビジネスシーンでもよく利用される。
たとえば、「今日送った書類をチェックしてください」と相手に送信して「チェックしました」という返事が返ってきた場合、Apple Intelligenceが「チェックありがとうございます」という文言を自動生成してくれるのだ。
「その程度なら、自分で打ち込んでもいいのでは?」と思われるかもしれないが、「社交的な紋切り型文章の作成をAIに任せる」というのは積もり積もれば大幅な「時短」になっていく。
こうした機能は、いずれはどのチャットアプリにも実装されるものになっていくだろう。
「細かい時短」は大きな省力化へ
プロセッサーの進化により、スマホ自身がAI機能を獲得するに至った今。特に変化が起こっているのは「文章を短く要約する」という部分だ。
「要約」というのは、簡単なようで実は難しい。
重要な部分や結論を的確に取り上げなければならないため、人によってはむしろ「何を言いたいのか分からない短文」になってしまう。AIはそうした作業を、難なくこなしてくれるようになったのだ。
この機能がもたらす細かい「時短」も、いずれ大きな省力化につながる。精度が高まれば、我々に意外な余暇を与えてくれるかもしれない。
(澤田真一)