セルフレジでも起きる「待ち時間のイライラ問題」 ストレスフリーなアプリ導入も進む
2025/7/9 12:10 J-CASTニュース

セルフレジが急速に普及している。スーパーマーケット、コンビニエンスストア、衣料品店など......。地元のスーパーマーケットのレジがいつの間にかセルフレジに、という経験をした人も少なくないはずだ。
しかし、ここで懸念されるのが、レジ待機列でのイライラ問題だ。
セルフレジなのだから長いこと待たされることはないだろう、というのは大きな間違い。実はセルフレジだからこそ、「前の人が手間取ってなかなか自分の番が回ってこない」という現象が起こりがちなのだ。
セルフレジの操作に戸惑う人々
たとえば、1年前の調査(2024年7月11日発表)だが、株式会社アスマークが1都3県(東京・神奈川・千葉・埼玉)在住の20~69歳男女(750サンプル)を対象に「セルフレジのお困りごとに関するアンケート調査」を実施した(調査期間は24年5月31日~6月2日)。
その調査結果によると、「あなたは、どのくらいレジで待たされるとイライラしますか」という質問に対しては、男性では「1分~2分未満(約20%)」、女性では「3分~5分未満(約26%)」が多数派だった。全体を見渡すと、男性よりも女性のほうがレジの待機列でより長く待つことができるようだ。
次に、「あなたがセルフレジで困ったことがある業界をお知らせください」という質問。これについては約65%の方が「困ったことがない」と回答した。一方で、困ったことがある業界に話を絞ってみると、1位がスーパーマーケット(約25%)、2位がコンビニエンスストア(約11%)、3位が100円ショップ(約6%)という結果に。スーパーマーケットが突出している。
その上で、「スーパーマーケットにおける、セルフレジのお困りごとの種類をお知らせください。また、一番のお困りごとについてもお知らせください」と質問すると(複数回答可能)、セルフレジでのトラブルの1位は「操作方法がわからなかった(約50%)、2位は「バーコードが読み取りづらかった(約47%)」、3位は「値引き商品はセルフレジで対応することができなかった(約27%)」となった。特に「操作方法がわからなかった」という答えは、50代が約69%と若年世代よりも大きく突出している。
セルフレジでの待機時間を短縮するアプリ
中高年世代がセルフレジの操作に手間取ることは、やはり頻繁に発生しているといえるだろうか。
もっとも、店舗にとってはセルフレジが省力化につながり、導入のメリットは計りしれない。そこで、セルフレジでの待機時間を短縮するアプリもある。
静岡県に店舗を展開する「しずてつストア」では、2025年7月からセルフレジ連携アプリ「ピピットセルフ」を一部店舗で導入した。
これは利用者が商品を手に取るタイミングで、自らの手で商品のバーコードを読み取る仕組み。セルフレジでは決済だけを済ませる、というものだ。こうすることで、レジでの待機時間の短縮・混雑の軽減を期待できるという。
一方、イオンリテールが20年3月から本格展開しているセルフレジ「レジゴー」も、利用者が自らスマホアプリを通じて商品のバーコードスキャンし、専用レジで会計するスタイルだ。発表によると、24年6月には300店舗を突破しており、存在感が高まってきている。
セルフレジの普及や浸透は時代の流れ。今後も、待機列での待ち時間を少しでも短縮できる新システムが次々に開発されていくだろう。
(澤田真一)