ノンアルなのに「日本酒風味」、チェリオの炭酸飲料が話題 ノウハウ活かして初挑戦...開発の裏側にせまる

J-CASTニュース

   清涼飲料水の製造・販売を手がけるチェリオコーポレーション(京都市)が自動販売機で「日本酒風味」のノンアルコール炭酸飲料を新発売し、Xで「ニッチなところ突いてくる」などと商品のユニークさが驚かれている。同社に開発のこだわりを取材した。

「日本酒の香りとコクを再現」フルーティーな飲みやすさも

   話題になっているのは、チェリオの炭酸飲料「のんあるこーる日本酒風味 Sparkling」だ。自動販売機で350ミリリットル缶が150円で売られていたとして、Xユーザー・だて(@anorak_town)さんが2025年4月9日に写真を紹介した。

   投稿では「チェリオが訳わからん商品出してて笑った」「ほんでちゃんと日本酒っぽいんかい!」といい、美味しかったとのこと。缶は水色を基調とした爽やかなデザインで、公式サイトによると、アルコール分0.00%だが20歳以上の飲用を想定している。

   投稿は8万3000件超の「いいね」を集め、Xでは「わざわざノンアルの日本酒なんて...ちょっと気になる」「日本酒ver.は新しいのでは 気になる~しかも自販機でwww」「甘酒みたいな味かな?」「ニッチなところ突いてくる」などと関心が寄せられている。

   J-CASTニュースの取材に応じたチェリオコーポレーション広報担当によると、3月24日に発売したばかりで、関西・中部・沖縄エリアのチェリオ自動販売機、全国の一部量販店、チェリオ公式通販で取り扱っている。

   味については、「日本酒に馴染みの薄い方にも愉しんで頂けるよう、フルーティな飲みやすさに拘りました。日本酒特有の華やかな香りと優しい甘味、炭酸の爽快な飲み心地は、新しいジャンルの炭酸飲料としてお愉しみ頂けます」と説明。下記のようにもこだわりを伝えた。

「本来の"日本酒の味"に近づけるために、日本酒の成分を分析し、原料を厳選して使用。日本酒を製造する工程で生まれる酒粕をさらに発酵させたエキス末を配合し、日本酒の香りとコクを再現しました」

「アルコールメーカーとは違った切り口で...」

   同社は過去に「ビールテイスト炭酸水」や「ジントニック風味炭酸水」を発売したことはあるものの、「日本酒風味のノンアルコール飲料」を展開するのは初めて。

   Xの反響については「お客様の期待を上回るチェリオらしいユニークな商品をご評価いただけて、非常に嬉しく思っております。これからも、お客様が愉しんでいただける美味しい商品をお届けしていきます」と歓迎している。

   開発の狙いやターゲットに関しては、次のように詳説している。

「アルコールメーカーとは違った切り口で、清涼飲料水メーカーこそのノウハウを生かし、お酒の再現性だけでなく"おいしく飲みやすい"に拘って開発しました。

また、リラックスしたい外出先でも『ノンアルコール飲料』を気軽に購入頂きたいという想いで、アルコール分を全く含まないアルコール度数0.00%の日本酒テイスト飲料を開発し、チェリオ自動販売機での販売に踏み切りました」

   さらに、日本酒の製造にも受け継がれている技術「伝統的酒造り」が24年12月にユネスコ無形文化遺産へ登録されたことに触れ、「国内外問わず注目を集める中、量販店のご担当者様からは海外からの旅行者をターゲットにしたいというご意見も頂いております」といった背景も明かした。

   「芳醇な日本酒の香りを多くの方に知って頂きたい」としており、同じくユネスコ無形文化遺産の「和食」に併せる利用シーンの提案も。「お花見の季節にも最適な飲料です。お酒好きな方も、そうではない方も、是非冷たく冷やしてお愉しみ下さい」と呼びかけている。

記事提供元:タビリス