「職場の忘年会」出席するのは約半数、6割が「1次会で帰る」 オフィスで開催が人気を集める事情
2025/12/13 16:00 J-CASTニュース

2025年の忘年会、参加するのは何次会まで? 職場では6割が「1次会」止まりだが、プライベートでは5割強が「2次会」へ――そんな意向を示す調査結果がまとまった。
プライベートな忘年会なら2次会まで行くが半数
この調査は、株式会社ぐるなびが2025年の忘年会シーズンを前に11月中旬に行い、20~60代のぐるなび会員1300人からウェブ回答を得た。それによると、職場や仕事関係の忘年会に「何次会まで参加したいと思うか」との質問に対し、最も多い答えは「1次会まで」で59.5%を占めた。次いで「2次会まで」が35.5%、「3次会以上」は5.0%だった。
一方、プライベートで開く忘年会については、「1次会まで」は35.2%にとどまり、「2次会まで」が52.8%で最多。「3次会以上」も12.0%に増えた。職場は控えめに、プライベートは前向きにという意向がみてとれる。
会費は「4500~5000円未満」が最も多い
それが特に目立つのは20代男性だ。プライベートで「2次会まで」が55.8%。「3次会以上」も全体平均の倍を超える26.9%、4人に1人を占めた。仕事における「飲みニケーション」は敬遠しても、プライベートでは積極的だ。
同じ20代でも女性はプライベートで「2次会まで」が62.0%といちばん多く、「3次会以上」は7.6%と少なかった。
会費は、職場、プライベートともに全体で「4500~5000円未満」が最も多かった。
漱石の『吾輩は猫である』に「忘年会」が登場
忘年会の起源は古く中世にさかのぼるといわれる。江戸時代には庶民が暮れの仕事納めのあとの納会で飲食する習わしがあった。明治になると官僚や学生の間に広まり、夏目漱石の『吾輩は猫である』に「忘年会」という言葉が登場する。登場人物のひとり寒月君が「向島の知人の家で忘年会兼合奏会がありまして...」と語る場面だ。さらに昭和に入って企業文化に深く組み込まれ、今のスタイルにつながったという。「1年の苦労を忘れる」という意味が強調され、日本独自の発展をしてきた忘年会だが、ぐるなびの調査によると、職場の忘年会に「参加する・開催されれば参加する」は54.9%と、全体の半分ほどにとどまっていた。残りは「参加しない。または開催されない」29.6%、「現時点では全く分からない」15.4%だった。
幹事の最大の悩みは「お店選び」
ともあれ、忘年会の設営は幹事の腕の見せどころであり、重荷でもある。法人向けフードサービスの株式会社ノンピの調査(複数回答)によると、幹事の最大の悩みは、10人中7人にあたる71.3%が選んだ「お店選び」だ。
この調査は2025年10月時点で役所や企業に勤める20~59歳の310人にウェブで質問したもの。ほかに苦労するのは「日程調整」(62.9%)や「参加者集め」(51.9%)などだという。
また、「どこで開催したいか」との質問(複数回答)には、「居酒屋・レストラン・バー」が91.6%と最も多い一方で、「オフィス・拠点内」も61.9%が希望した。その理由は「店探し不要」「低予算」「移動の手間なし」などで、ノンピ社は「従来の居酒屋が1位であるものの、2位にオフィス開催が入り、新たな忘年会スタイルが支持を集めている」と述べている。
「コスパ」や「タイパ」といった効率性を重視する世相が、ここにも映されているのかもしれない。
(ジャーナリスト 橋本聡)









