インバウンドでホテルが驚くほど高いけど 温泉地や人気観光地で1泊2食1万円前後の宿泊施設を見つけた

J-CASTニュース

   ちょっと旅行にでも......という気分になっても、ホテルも旅館もインバウンド料金でびっくりするほど高い。1泊2食付きで一人5万円~なんて聞くと、とてもじゃないが家族旅行は無理と思ってしまう。でも、あきらめるのは早い。「公共の宿」や自治体・企業の「保養所」なら、2食付きで1万円前後から泊まれる。施設によっては、9、10、11月の連休にも空きがあるというから、まだ間に合いそうだ。

国民休暇村は35村、国民宿舎は約80か所

   お安く泊まれる宿はどんなものがあるのだろう。国や地方自治体が設置しているのが『国民休暇村』だ。各地の国立公園や国定公園に35村あり、一流の温泉旅館・リゾートホテル並みの部屋、食事、サービスが期待できる。太平洋が目の前に広がる千葉・館山は、1泊2食で1万3000円くらいから泊まれるが、伊勢海老を2尾使った会席料理のプラン3万2000円と贅沢してもいい。

   『国民宿舎』は地方自治体が運営する公営のものと、国民宿舎協会が国民宿舎として指定した民営のものがある。海・山・川・町並みのテーマ別に、尾瀬や伊豆、宮島など人気観光地に約80施設。1泊2食の宿泊料金はおおむね7000~1万5000円程度と安い。これから紅葉が見ごろになる埼玉・秩父の「両神荘」は1万2250円(平日)だ。

1泊2食で数千円からも

   航空・旅行アナリストの鳥海高太朗さんが、「旅行サイトに載っていない穴場の宿泊施設」と薦めるのが、『自治体の保養所』である。東京都中央区の「ヴィラ本栖湖」は富士五湖のほとりにあって、運営やサービスは老舗の富士屋ホテルが担当している。宿泊費は中央区民や中央区内に勤めている人は2人利用の和洋室1万2000円~、一般客は1万3200円~。

   世田谷区の「ふじやまビレジ」は群馬県川場村にあって、温泉は源泉かけ流し、道の駅グランプリ1位の「川場田園プラザ」でお土産も探せる。世田谷区に在住・通勤・通学者は6500円、区外の人も1万2670円で1泊2食付き。このほかの新宿区、品川区、港区などの各区、三鷹市 調布市などの都下、さいたま市なども宿泊施設を運営している。いずれも1泊2食で数千円からで、住民以外も1000~数千円プラスで利用可。旅行サイトに載っていないが、「自治体名+保養所」で検索することができる。

イタリアンの夕食コースつきで1万6900円

   『社員や組合員向けに運営している保養所』を、割安料金で一般客に公開している企業や健康保険組合、共済組合も多い。NTT健保は組合員料金に約5000円プラスで受け付けている。箱根・強羅の「風の音」保養所は、イタリアンの夕食コースで1万6900円だ。こうした優良な企業の保養所の運営を請け負い、予約も受け付けるビジネスも広がっている。

   公共の宿や保養所は、以前は部屋やロビーは暗くて安っぽく、料理もおいしいとは言い難かったが、リニューアルしたり、運営を民間業者に委託したりしておしゃれになっている。ただ、人気も上昇して予約は取りにくい。早めの問い合わせ、キャンセル狙いのこまめなチェックが予約ゲットのコツだ。

(シニアエディター 関口一喜)

記事提供元:タビリス