「人生激変」の瞬間!社会人533人に聞いたキャリアの「ターニングポイント」...今求められている人材のリアル

J-CASTニュース

   社会人として働く上で、誰もが一度は直面する「キャリアの転機」。自分の選択が未来を大きく左右するこの瞬間は、不安や迷いがつきものです。どのような瞬間が訪れたとき、キャリアのターニングポイントと感じるのでしょうか。

   オープンワークが、働く男女533人に聞いた「キャリアにおける初めてのターニングポイントはいつでしたか?」という調査では「26歳以下」が最多の回答となりました。就職後、おおむね3年程度で転機が訪れたと感じる社会人が多い一方、「30歳以上」の回答も多く見られました。

   この調査結果をもとに、私、オープンワーク マッチング事業部の和田大生(わだ・ひろお)が具体的な声とともに、多くのビジネスパーソンがキャリアを見つめ直すヒントを解説していきます。

ターニングポイントで多い「外的要因」

   「個人」のキャリア情報をオープンにするコミュニティサービス「OpenWork キャリア」に集まった「キャリアにおける初めてのターニングポイントはいつでしたか?」という質問に対する、OpenWorkキャリアユーザー533人(7月10日時点/調査は2025年3月28日~7月10日)の回答を分析したところ、「26歳以下」が最多の20.9%、次いで「28歳」が14.6%、「35歳以上」が13.9%という結果になりました。

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   回答者のコメントからは、転職など自らの選択によるものに加え、意外にも結婚・出産などライフイベントの変化や海外駐在、グループ会社への出向・異動など「外的な要因」が結果的に、ターニングポイントとなったことがうかがえました。特に「30代」と回答したユーザーのコメントからその傾向が見られました。

   この結果からは、たとえ予期せぬ出来事がきっかけだったとしても、その後のキャリアをどう築いていくかは自分自身の意思や考え方によって大きく左右されていることがうかがえます。自ら手を挙げてチャンスをつかみにいく、家庭とのバランスを考えて転職を決断する――。そうした「自分なりの答え」を出したプロセスこそが、キャリアのターニングポイントにつながっているのではないでしょうか。

   OpenWorkキャリアに投稿された具体的なコメントも紹介します。

◇転職によるターニングポイント

「新卒から4年目で転職した。就活が上手くいかず中小SIerでスタート。まずは3年続けろと言われた時代、律儀に丸3年勤めてそこから大手総合コンサルファームに転職。人、社内システム、教育、ナレッジ、仕事内容、働き方、給与、すべてが好転した。今振り返っても、ただ負荷が高いだけで何が積み上がっているのかも分からない3年間から脱却して、ようやくキャリアがスタートした気がする。(26歳以下、コンサルタント)」
「映像業界で映像編集やカメラマンをやっていたが、転職し、ITシステム運用の業務改善、運用設計コンサルに転換し、現在もその道にいる。(26歳以下、ITコンサルタント)」

◇社内異動・出向によるターニングポイント

「初めての異動を経験。新たな分野で新たな人脈を築くきっかけになり、ここでの経験が現在の下地になっている。(28歳、設計)」
「親会社に出向し、初めての海外駐在に繋がった。(30歳、与信管理)」

◇ライフプランの変化に伴うターニングポイント

「子どもが生まれ、仕事が最優先とはいかなくなり働き方を見直す必要が生じた。 20代最後の年ということもあり、今後のキャリアを考え、新卒8年目にして異業界への転職を経験。(29歳、システム開発)」
「育休から復帰し、今までと仕事に対する考えを変えざるを得なかった。(30歳、経理)」

◇想定外の転機によるターニングポイント

「フリーランスだったが友人に誘われ会社員になった。フリーでやっていけるビジョンがなくなっていたので今考えると本当に渡りに船だったのだろうなと思う。(34歳、CGデザイナー)」

採用現場で求められるのは「軸を持った人材」

   採用の現場では、多くの企業が「自分の言葉でキャリアを語れる人材」を重視しています。これまでの経験や将来のビジョンを自分自身の言葉で語れる求職者は、自分の強みや弱みを正確に把握し、それを仕事でどう活かせるかを具体的に説明できるため、企業側も入社後の活躍をイメージしやすく、結果として内定率や入社後の評価が高い傾向にあると考えられます。

   たとえば、ある企業では、求職者が自らのキャリアを整理して話せるよう、人事面談でサポートを行うほどです。採用担当者が求めているのは、単なるスキルや実績だけではありません。キャリアの転機となった出来事や、その時にどのような選択をしたのか、そして「今後どう成長していきたいか」といった、自分自身の視点や考え方を整理して伝えることが重要です。

   もちろん目の前の業務に取り組むなかで見えてくるものもありますが、自己分析を通じて自分の価値観や経験のつながりを整理し、一貫性のあるキャリア像を描けるようにしておくことも大切です。

   転職する・しないにかかわらず、自分の経験や環境の変化を振り返ることは、納得感あるキャリア選択につながります。今のうちから、自分の言葉で語れる準備をしてみてはいかがでしょうか。



【プロフィール】
和田大生(わだ・ひろお) オープンワーク株式会社 マッチング事業部 ダイレクトセールスユニット/大学卒業後、2021年にオープンワーク入社。リクルーティングコンサルタントとして、一貫して大手総合コンサルファームや日系大手メーカー、テック系ベンチャー企業などの中途採用を支援する。現在はメンバーマネジメントや自社採用などにも奮闘中。

記事提供元:タビリス