帝劇休館で「備品」売る、座席に取っ手まで146品 「ラインナップ豊かすぎ」X興奮...運営会社も喜び「全ての商品が目玉」

J-CASTニュース

   東京・丸の内の劇場「帝国劇場」(帝劇)が2025年8月19日、再開発による一時休館に伴って劇場の備品を一般向けに販売することを発表し、Xでは「ラインナップ豊かすぎて面白い」などと話題になっている。

   運営会社の東宝は取材に、「これまで長年ご愛顧を賜ったお客様への感謝を込めて、また帝劇の記憶をお客様の元で生かし続け次の帝国劇場へ想いを繋げていただくべく、休館後に全て手作業で約1か月半かけて備品を取り出した甲斐があったと感じております」などと伝えている。

客席、「千穐楽」ボード、箱馬も。全て実際に使用していた

   帝劇は元々、1911年に初代劇場が開場し、2代目にあたる現在の建物は1966年に竣工した。2025年2月28日をもって公演を終え、休館に伴い、劇場資材を活用する商品開発プロジェクト「帝劇 Legacy Collection」が始まった。収益金の一部は「日本舞台芸術ネットワーク」に寄付して、同団体が標榜する「次世代への継承と持続可能な舞台芸術環境づくり」に役立てられるという。

   今回注目されたのはプロジェクト第3弾の「帝劇プレミアム備品販売」だ。施設内で実際に使用されていた、全146品を売るという。

   最も高額商品は「客席(3人掛け)」で税込み42万円、もちろん「1人掛け」もあって20万円。ほかには25万5000円の「本日千穐楽ボード」や8万2000円の「座席ボード」シリーズ、2万5000円の「ご案内ボード(お召し物のお預かりについて)」といった各種案内板、舞台や稽古場で用いた1万6500円の「箱馬」、3万5000円の「楽屋暖簾」、ロビーや貴賓室の椅子、喫茶の看板、さらには玄関マットやブランケットまである。

   抽選販売の申し込み期間は8月28日~10月8日。また9月14日、21日、28日の3期に分けて先着順の一般販売も行う。期ごとに出品される商品は異なり、一部を除き、特典としてプロジェクト特製プレートが付属する。

   発表内容はXで広く注目され、「帝劇の備品販売ラインナップ豊かすぎて面白いwww」「これでもかと売りに出すその勢いけっこう好き笑」「オタクが欲しいのは、まさにこれ。よくわかってらっしゃる」「『本日千穐楽』の看板を葬式で掲げたいって言ってる人が結構いて笑ってしまった」「劇場のワクワク感詰まっててなんかすごくいいなぁ~」などと好評を博している。

「全て手作業で約1か月半かけて備品を取り出した」

   東宝演劇部の担当者は8月21日、J-CASTニュースの取材に応じ、備品販売に対するXの反響を「2月末に休館となってから半年経っているにも関わらず、帝劇への愛を感じるたくさんの投稿を拝見し、大きな反響に驚くとともに大変嬉しく思っております」と受け止めた。下記のようにも伝える。

「担当者としては、これまで長年ご愛顧を賜ったお客様への感謝を込めて、また帝劇の記憶をお客様の元で生かし続け次の帝国劇場へ想いを繋げていただくべく、休館後に全て手作業で約1か月半かけて備品を取り出した甲斐があったと感じております」

   第3弾のラインナップに関しては、「お客様それぞれに帝劇での思い出があると思いますし、一点もので帝劇の歴史と共に歩んできた商品も多いので、全ての商品が目玉と考えております」と誇る。

   なかには、一見すると渋い商品もあるのではないか。担当者は「強いて挙げるとすれば、Xで言及されている投稿もいくつか拝見しましたが、『取っ手』は渋い魅力のある商品の代表格かもしれません」とし、「帝劇があったときに着目していた方はほとんどいらっしゃらないと思いますが、実は帝劇内のどの扉にも裏表にそれぞれ取っ手がついていました。きっとお客様の想像以上に帝劇の品格にふさわしいずっしりとした作りになっており、まさにプレミアムな記念の品かと思います」と魅力を述べている。

   同プロジェクトをめぐっては、5月に第2弾「席番プレート記念商品」の抽選販売もしていた。当時の倍率を尋ねると、「申し込み数や倍率はお答えできかねますが、非常にたくさんのお申し込みと反響をいただきました」とのこと。今後については「現在、プロジェクト第1弾で発表している帝劇のマテリアルをリメイクして作る商品の開発も進めております。そちらは2026年春頃までに販売開始予定ですので、今回の『第3弾帝劇プレミアム備品販売』と共に、是非ともご期待いただければ幸いです」と呼びかけた。

記事提供元:タビリス