コメ高騰で外食チェーンの値上げ止まらない 消費者が取るべき「最強の防御策」は...FPが解説
2025/11/30 19:00 J-CASTニュース

日本の家庭や外食産業を直撃する「コメ高騰」のニュースが続いている。
スーパーでのコメの価格上昇に加えて、日常的に利用する外食チェーンでも影響は大きい。食費への負担は増す一方だ。なぜコメの価格は上がり、外食にも波及しているのか。
家計への影響とともに、ファイナンシャルプランナー(FP)の視点を交えながら整理する。
なぜ上がる?コメ価格高騰の背景と外食への影響
近年、国内のコメ価格は、天候不順や輸入コストの上昇により高止まりしている。株式会社マーチャンダイジング・オンの「RDS-POSスーパー全国」によれば、2025年11月24日時点で、5kgあたりの店頭売価平均は約4500円と、過去10年で最も高い水準に達している。
この価格上昇の背景には、天候不順だけでは説明できない深い問題がある。近年は猛暑や長雨、台風が増えており、稲作への影響が大きい。特に、高い気温や水不足は、収穫量だけでなくコメの品質を下げてしまう。肥料や農薬、燃料の値上がりにより、農家の負担も重くなっている。
そして、スーパーでの価格上昇は、家庭の負担増につながるだけでなく、定食や牛丼、回転寿司など、コメを主原料とする外食産業にも影響を及ぼす。コメは外食チェーンにとって、不可欠な原材料だ。原価上昇分を吸収できない場合、やむを得ずメニュー価格に転嫁する必要がある。
値上げは避けられない?外食チェーンの取り組み
コメの価格上昇は、外食チェーンの経営戦略にも、直接的な影響を及ぼしている。2015年頃の5kgあたりの小売平均価格は、1800円前後だった。しかし、現在は4000円を超えており、原材料費の増加は避けられない。
たとえば、すかいらーくホールディングス(HD)の「ガスト」「バーミヤン」などでは、コメ価格が顕著に上昇し始めた24年9月から、ライス関連メニューの値上げを実施している。吉野家では、25年4月に、コメ価格を含めた原材料の高騰を理由に、商品の価格改定を行った。
回転寿司チェーンのはま寿司でも、コメ価格高騰に対応するため、24年12月に一部商品の価格が見直された。オリジン東秀の「オリジン弁当」などでは、段階的な値上げを実施していたが、25年12月にも新たに価格改定を実施する。各社とも顧客離れを防ぎつつ、採算を確保するため、バランスの調整に苦労しているようだ。
一方で、各社は価格転嫁だけに頼らず、多角的な工夫で影響を緩和している。たとえば牛丼チェーンは、値上げする商品を絞り込んだり、付加価値を提供したりして、集客の維持に努めている。外食チェーンは、価格・量・仕入れ方法を組み合わせた多角的な対応を強化しているが、このような価格改定は、今後も継続的な課題になる。
外食費アップが家計に直結!消費者の賢い対応策は
外食価格の上昇は、特に単身世帯や、共働き世帯の毎月の食費に直結する。単身世帯は自炊の量が限られて、外食に頼る比率が高くなりやすい。共働き世帯は、時間の余裕が少なく、外食の利用が増える。家族世帯の場合も、子どもの食事回数や量が増えるほど、外食の負担が大きくなるため、影響は無視できない。
まずは、外食費が家計全体に占める割合を把握して、無理のない予算設定を行うことが重要だ。たとえば、外食回数を見直したり、セットメニューより単品を選んだりすることで、コストを調整できる。また、家庭で「おうちファミレス」を再現するなど、外食の代替策を取り入れることも有効だ。
コメ価格の影響によって、今後も外食チェーンの値上げやメニュー変更は続く可能性がある。FPの視点からは、こうした価格変動を前提に、家計管理を行うことが重要だといえる。外食と家庭での食事をバランスよく組み合わせることが、家計の負担を最小限に抑えるポイントだ。
【プロフィール】
石坂貴史/証券会社IFA、AFP、日本証券アナリスト協会認定 資産形成コンサルタント、マネーシップス運営代表者。「金融・経済、住まい、保険、相続、税制」のFP分野が専門。









