マネックスグループ傘下のコインチェック、ナスダックに上場 ITイベントレポート:TIDE&WAVE

ジョルダンニュース編集部

日本の暗号資産(仮想通貨)交換業者として初。「web3事業のさらなる拡大を目指す」(松本大会長)

マネックスグループの連結子会社、コインチェックグループ(Coincheck Group N.V.)が、12月11日、米証券取引所ナスダックに上場した。日本の暗号資産(仮想通貨)交換業者として初の米国上場となる。米国のトランプ次期大統領は、「アメリカを暗号資産の世界の中心地にする」と宣言しており、主要な暗号資産であるビットコインも最高値の更新を続けている。ナスダック上場で米国にも足場を持ち、暗号資産やブロックチェーンの分野で、人材の獲得や他社の買収を進め、コインチェックはさらなる成長を目指す。

上場セレモニーで喜ぶマネックスグループの松本大会長(中央)らメンバー

コインチェックグループは、すでにナスダックに上場していた特別買収目的会社(SPAC)と統合することでナスダックに上場した。株式相場表で表示されるティッカーシンボルは「CNCK」。初日の終値は13ドル35セントで、時価総額は約17億4,000万ドル(日本円で約2,700億円)だった。

上場セレモニーに参加したマネックスグループの松本大会長は、集まった記者に対し「非連続に成長していくため、ナスダックに上場したコインチェック株を通貨として使い、他社を買収していく」などと、上場を機に、暗号資産領域で攻めの経営を徹底することを表明した。マネックスグループは、コインチェックグループの株式の約8割を保有している。

コインチェックグループの中核会社であるコインチェックは、2012年にレジュプレスとして設立。2013年には実名制ユーザー投稿型サービス「STORYS.JP」の提供開始し、あの「ビリギャル」を生み出したことで知られる。2014年8月にビットコイン取引所サービス「Coincheck」を開始した。順調に成長したが、18年1月に大規模な仮想通貨流出事件が発覚した。同年4月にマネックスグループが救済買収する形で、完全子会社とした。2024年11月末現在の口座数は215万強、預かり資産は1兆1000億円強となっている。

松本会長は上場時のスピーチで、「暗号通貨、web3、ブロックチェーン、トークンエコノミーはもはや単なるアイデアではない。エンパワーメントのための真のツールなのだ。ビジネスの成長を支援し、人々が経済的な将来をよりコントロールできるようにする。それらは、私たちの働き方、つながり方、生き方をまったく新しい方法で変革している」と述べた。コインチェックグループの事業内容には、「暗号資産/web3 事業のさらなる拡大を目指す企業群の持株会社」と書かれている。暗号資産取引所にとどまらない成長が期待できそうだ。

(ジョルダンニュース編集部)

記事提供元:タビリス