東京都、スタートアップイベント「SusHiTech Tokyo 2025」を5月開催 AI、量子、フードテックに焦点 ITイベントレポート:TIDE&WAVE
2025/2/4 14:06 ジョルダンニュース編集部
テーマは「未来の都市のビジョン、新たな出会いの創出」(小池百合子東京都知事)
東京都は、アジア最大級のスタートアップイベント「SusHiTech Tokyo 2025」(スシテック)を5月8日から10日までの3日間、東京都内で開催する。最終日には初の試みとして、子供や家族連れも参加できる一般公開日を設ける。昨年は2日間開催で4万人が来場しており、今年は規模を拡大し、スタートアップ関係者など5万人の参加を見込む。
スシテックは、スタートアップおよび大企業のオープンイノベーションを推進するイベント。昨年に続く2回目の開催となる。前身のCity-Tech.Tokyoを含めると3回目。 小池百合子東京都知事は、スシテックについて、「未来の都市のビジョンについてオープンな議論を行うこと、そしてイノベーションとスタートアップの成長のために新たな出会いを創出すること、この2点を重視している」と強調した。1月30日、東京都のスタートアップ支援施設「Tokyo Innovation Base(TIB)」で開催したイベント「TIB Global Day 2025 winter」の中で、発言した。
今年のスシテックの重点テーマとしては、人工知能(AI)、量子技術、フードテックの3つの分野を挙げた。AI分野では、自動運転車やロボットなど、人工知能によって動かされる未来の社会が私たちの生活や都市をどのように変えるのかを探る。量子技術分野では、量子コンピューターなどの革新的な技術がもたらす未来社会の姿に迫る。そしてフードテック分野では、食の持続可能性や、食とテクノロジーの融合について議論を深める。
イベントでは、これらのテーマに関する講演やパネルディスカッション、スタートアップ企業による展示などが行われる。登壇者としては、東芝の島田太郎社長や、クライメート(気候)テック領域の投資会社、ブレイクスルーエナジーのアシュリー・グロス副社長、カリフォルニア大学バークレー校のインキュベーション施設「SkyDeck」のキャロライン・ウィニック事務局長など、国内外から著名な講演者が参加する予定だ。 また、会場には未来都市を体験できるゾーンも設置される。アニメの世界から飛び出したような巨大ロボットの展示や操作体験、スシテックの名称にちなんだ寿司の試食なども楽しめるという。
出展者の規模は大きく拡大する。大企業の出展は、前回の26社から約40社に拡大する。世界の国・都市も、昨年の3倍近い14のパビリオンを含め、全部で20を超える出展を予定している。
スシテックは、学生の参加も特徴だ。学生がイベントの一部運営に参加する「ITAMAE(Innovative Technology Academic Maestro)」プロジェクトも実施する。イベントの企画やセッション運営などを通して、学生の成長を促す狙いだ。
小池都知事は、「出展スタートアップ500社、商談件数5,000件、参加者50,000人。3つの『5』を目指す」数値目標を掲げた。そのうえで、「Sushi Tech Tokyo 2025」を「スタートアップの羅針盤」と位置づけ、「未来のビジネスパートナーと出会うために、ぜひ東京に足を運んでほしい」と呼びかけた。 小池都知事の説明後、宮坂学副知事が、海外メディアも含めた記者の囲み取材に応じた。宮坂副知事は、「スタートアップはビジネスの世界における挑戦者。東京には、アートとかエンターテインメントとか料理とか本当にいろんな分野で挑戦者の方がたくさんいる。行政として、挑戦者を応援する街になっていきたいというビジョンがある。世界中の挑戦したい人に東京都で挑戦してみたいと思えるような街になりたい」と、スシテックを開催する思いを補足した。
ジョルダンニュース編集部