シェアリング・エコノミーが写真アートに価値を与える アートが変える社会と経済

ジョルダンニュース編集部


アートが変える社会と経済: AI、NFT、メタバース時代のビジネスと投資の未来

本記事は書籍「アートが変える社会と経済: AI、NFT、メタバース時代のビジネスと投資の未来(著:倉田陽一郎)」の内容を抜粋したものです。

第1章でも説明したように、コミュニティによるシェアリング・エコノミーが、次世代の資本主義の重要な基盤となる可能性を秘めています。第1章でも説明したように、コミュニティによるシェアリング・エコノミーが、次世代の資本主義の重要な基盤となる可能性を秘めています。

また、写真アートは絵画と比べて、なかなか評価が上がりませんでした。たとえば、アンドレアス・グルスキー12という世界でも有名な写真家がいます。その作品は一点で1億円を超えますが、写真アートにおいては、なかなか10億円以上の作品は見当たりません。
それに対して絵画は、現代アートの巨匠の作品となれば、20億円以上の値段がついていますし、19世紀後半以降の印象派やそれ以降の代表的な作家の作品では、100億円を超えるものも出ています。
写真アートと絵画の価格差は、コピーの可能性による要因が大きいと思います。写真というアートは、容易にコピーができてしまいます。そしてデジタル技術を通じて、現代の技術では、コピー作品のクオリティは日進月歩で高まってきています。
これにともない、オリジナルの唯一性が保証できないため、写真のようなコピーされやすい作品の価値はなかなか上がることはありませんでした。

ネット時代のコピー文化を予見。ウォーホル以降のアートの未来

ただ、20世紀半ば以降にアンディ・ウォーホルがコピー文化を予見し、それがまさに的中し、インターネット時代にその通りの未来が実現することになりました。

しかし、ブロックチェーンの技術は、そのコピー文化の方向性を大きく変えることになりました。NFTとして紐付けることにより、作品がコピーされても、元々のものを確定することができるため、デジタル上でもコピーはコピー、本物は本物と完全にわかるようになったのです。
さらに、NFTアートの時代になると、コレクターはメタバース空間の中に自分の部屋やオフィス、美術館を作って、自分のコレクションをそこで展示できるようになります。
メタバース上で飾られるNFTアートも、デジタル画像や映像のコピーが出回ることもあると思いますが、それは、モナリザの絵が教科書に載っているのと同じコピーになります。所有者側で本物はこれだとNFTによって規定できますが、本物とほぼ同じクオリティのコピーが出回ることはこの21世紀では避けることができません。

しかし、アート作品を観る際に、現実の世界で絵画を観るのと仮想空間で作品を観るのとでは、現物の作品の筆のタッチから生まれる力を、デジタルでも表現できるのかという課題が生じます。
現実世界の絵画をデジタル画像にしてメタバース空間に入れ込むだけであれば、現物のアートの方が勝ることは間違いないと思います。ですが、メタバース上では、これまで現実世界では表現したり体験したりすることができなかった新しいアート表現が出てくる可能性があります。メタバース時代にはメタバース時代の新たなアートや表現が生まれることになるでしょう。


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記事提供元:タビリス