テクノロジーの熱狂で名古屋が燃えた! グローバルスタートアップイベント「TechGALA Japan」が大盛況 ITイベントレポート:TIDE&WAVE

ジョルダンニュース編集部

2月4日から6日、未来を創造するグローバルスタートアップイベント「TechGALA Japan」が愛知県名古屋市で初めて開催された。「地球の未来を拓くテクノロジーの祭典」というキャッチフレーズのもと、革新的なアイデアと情熱を秘めた起業家、大企業の担当者、そして未来を担う学生など、多様な参加者で埋め尽くされた。参加者からは、「想像をはるかに超える熱気だった!」「世界を変えるアイデアに出会えた!」といった興奮の声が寄せられた。

「TechGALA Japan」は、愛知県や名古屋市、一般社団法人中部経済連合会、名古屋大学などで構成する「Central Japan Startup Ecosystem Consortium」が主催した。 「登録者数の目標5000人を今朝、達成しました!」。TechGALA Japan 総合プロデューサー奥田浩美氏は、中日ホールで開催されたオープニングリマークで喜びを隠さなかった。「登壇者数が400名以上、出展社数が140 社、サイドイベントが90以上になりました」と、誇らしげに数字を紹介した。オープニングリマークには、主催者であるコンソーシアムの中心4団体である愛知県知事の大村秀章氏、中部経済連合会会長の水野明久氏、東海国立大学機構長の松尾清一氏、名古屋市長の広沢一郎氏らも登壇し、「TechGALA Japan」開催の狙いや見どころ、今後のスタートアップ支援について方針を語った。

オープニングリマークに登壇した愛知県知事の大村秀章氏、中部経済連合会会長の水野明久氏、総合プロデューサーの奥田浩美氏東海国立大学機構長の松尾清一氏、名古屋市長の広沢一郎氏(左から順)

イベントを通じて、大きなテーマとなったのはAIだ。

初日のキーノートでは、Uber初代CEOのRyan Graves(ライアン・グレイブス)氏が登壇し、モビリティの未来像について語った。特に、AIの開発が非常に速いスピードで進んでいることに対して、「変化のスピードはますます速くなっている。柔軟な考え方を持つことがこれまで以上に重要になっている」と語った。

Uber初代CEOのRyan Graves(ライアン・グレイブス)氏(右)

2日目のキーノートを務めたのは、フューチャリストのPeter Swain(ピーター・スウェイン)氏。前日、ソフトバンクグループとOpenAIが企業向けAIエージェントでの提携を発表したことに触れ、「みなさんの人生は変わる」と断言した。そのうえで、「私たちは、数年先を見据えれば、全く異なる未来が見えてくる。その全く異なる未来において、私たちはより大胆な行動を起こすことができる」と訴えた。

講演するフューチャリストのPeter Swain(ピーター・スウェイン)氏

スタートアップを通じて社会によい影響を与えることを目指す「インパクト」に関するセッションも多く企画されていた。大学の研究成果や重厚な新技術など「ディープテック」とインパクトを関連付けたセッションや、インパクト分野のLP投資家が出資先のベンチャーキャピタルやスタートアップを選ぶ視点などを議論する専門的なセッションもにぎわっていた。

2日目に開催されたピッチコンテスト「TechGALA Global Startup Showcase」で優勝したのは、カナダ・トロントのSpornado Inc.だった。空気中の菌を採取し、存在しうるすべての病気を特定する装置を開発した。農家にはメールで、「病気にかかる懸念がある。農薬を散布する必要がある」と伝える仕組みだ。実は、武蔵精密工業(愛知県豊橋市、大塚浩史社長)が出資している。図らずも、愛知県企業のオープンイノベーションの実例でもあった。CTOのMichael Saleh氏は、「これを機に、日本で本格展開したい」と意気込んだ。

初日、2日目のカンファレンスは、名古屋市の中心部、栄地区の中日ビル、ナディアパーク、アーバンネット名古屋ネクスタビル、オアシス21の4カ所で、最大10個のカンファレンスが並行して開催された。かなり多いが、まんべんなく観客を集客していたようだ。地元のスタートアップエコシステムが充実してきたこと、東京や京阪神など、全国からの集客が奏功したとも言えそうだ。

3日目は、愛知県が誇る、日本最大級のインキュベーション施設「ステーションAi」に会場を移して実施された。大学発などのポテンシャルのあるシーズ(研究成果)を事業化するGAPファンドの成功事例の紹介、メディア主催イベント、ハッカソンなど多様なコンテンツが並んだ。

Tech GALAカラーにライトアップした中部電力 MIRAI TOWER(旧・名古屋テレビ塔)

エンターテインメント要素もふんだんに盛り込まれた。開幕前日には、東京からの新幹線の一両(16号車)を貸し切り、社内では交流会やワークショップを実施した。会期中の中部電力 MIRAI TOWER(旧・名古屋テレビ塔)は、奥田プロデューサーの負担で、Tech GALAカラーにライトアップした。最終日は、「nobodyknows+」で締めくくり、終了後には鶴舞公園でドローンショーを展開し、帰路についた参加者を楽しませた。

ジョルダンニュース編集部

記事提供元:タビリス