「スタートアップ・オブ・ザ・イヤー2025」、タクシー配車アプリのGO中島社長「移動で人を幸せに」 ペガサステックが選出
2025/7/21 23:13 ジョルダンニュース編集部

高齢化する日本、交通空白地域、ラストワイル。既存する公共交通との共存が地域に根ざした本当の課題か
ベンチャーキャピタルのペガサステック・ベンチャーズが選ぶ「スタートアップ・オブ・ザ・イヤー2025」は、タクシー配車アプリのGO(東京・品川)が今年の受賞企業となった。7月18日、東京・六本木のグランドハイアット東京で開催された「スタートアップワールドカップ東京予選」の中で、ペガサステックのアニス・ウッザマン代表が発表した。
受賞スピーチで、GOの中島宏社長は、まず受賞への感謝を述べ、聴衆に向けて「普段タクシーの車内でお目にかかることが多く、大変恐縮でございます」と語りかけた。「先日とある方に、最近タクシーに乗るとGOの広告ばかりで少しうんざりするということも言われるので、少しは控えようかなと思ってます」と述べ、会場の笑いを誘った。

GOの使命について、中島社長は「移動で人を幸せに」という言葉を挙げた。その上で、「労働人口不足という社会課題、これに取り組んできたことをご評価いただけたのかな」と受賞の感想を述べた。平将明デジタル大臣も労働人口減少社会における労働生産性向上とスタートアップの役割の重要性に言及したことに触れ、「我々も担いたい」と強い決意を示した。
「日本全体でライドシェアのドライバーが急激に増えている」と指摘した上で、GOが果たす役割は非常に大きいと述べた。「日本におけるライドシェアのドライバーの8割近くがGO」だとして、プラットフォームとしての貢献度を強調した。その上で「最終的なラストワンマイルの移動が今支えられている」と現状を分析した。
一方で、この1年で、GOは東京や大阪といった大都市圏だけでなく、地方における交通インフラの空白地帯の解消にも注力していると語った。軽井沢(長野県)、別府(大分県)、安芸太田(広島県)、三浦市(神奈川県)といった具体的な地名を挙げ、「政治の方々、行政の方々と協力しながら、各地域ごとの課題にり組んでいる」と、地域に根ざした課題解決への挑戦を説明した。

未来の取り組みとして、自動運転への取り組みに言及した。日本交通、および米国の自動運転サービス企業であるWaymoと提携したことを説明した。「日常の光景になるようにしたい」と思ってます」と、自動運転の普及への意欲を示した。
スタートアップ・オブ・ザ・イヤーの選出は3年目。初年度の2023年には、工場自動化を手がけるMujin(東京・江東)、2024年には自動運転ソフトウエアのティアフォー(名古屋市)が受賞している。
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スタートアップワールドカップ東京予選では、秘密計算を中心としたセキュリティ技術のAcompany(アカンパニー、名古屋市)が選ばれた。名古屋大学出身の技術者らが成立したスタートアップだ。高橋亮祐代表取締役CEOは、「みなさん、素晴らしい会社ばかりで、最後までドキドキだったんですけども、本当に優勝できて良かったなと思っています」と話した。

秘密計算クラウド「AutoPrivacy」事業では、データのプライバシー保護と活用を両立させるクラウドプラットフォームを提供する。特に、ハードウェア型秘密計算技術を活用したセキュリティサービス「AutoPrivacy AI CleanRoom」に強みがある。また、プライバシーDXコンサルティングサービス事業では、法令遵守したプライバシーデータの利活用を支援するコンサルティングサービスを提供し、企業のデータ活用を支援している。今後、医療や金融、経済安全保障、国防など新領域への進出を視野に入れているという。
2位はロケット開発・打ち上げのインターステラテクノロジズ(北海道広尾郡大樹町)、3位は、人工知能(AI)でルートを最適化した相乗りタクシーを展開するNearMe(ニアミー、東京・中央、髙原 幸一郎代表取締役CEO)だった。









