成長産業カンファレンス「GRIC2025」、過去最多12,000人以上が登録 ピッチコンテスト、最優秀賞はCraif 尿でがんリスクを早期発見

ジョルダンニュース編集部

成長産業支援事業を推進するフォースタートアップス(東京・港、志水雄一郎社長)は、11月11日(火)から13日(木)の3日間にわたり、国内最大級のカンファレンス「GRIC2025」を開催した。「日本のスタートアップエコシステムをグローバルへ」をパーパスに掲げる本カンファレンスは、今回で6回目。前半2日間はオンラインでセッションを配信し、最終日は渋谷ヒカリエにてオフラインイベントを実施するハイブリッド形式で実施された。その結果、昨年の11,000件を上回る12,000件以上の総登録件数を記録し、過去最大の規模となった。

注目コンテンツであるピッチコンテスト「GRIC PITCH」は今年、「CLIMATE TECH & RESILIENCE」「FRONTIER TECH」「UPRISING DIGITAL」の3つのテーマが設けられ、それぞれ6社、合計18社がファイナリストとして登壇し、国内外から集まった120人以上の審査員に向けて、熱意あるピッチを繰り広げた。

栄えある最優秀賞のGRAND AWARDに輝いたのは、「UPRISING DIGITAL」を制したCraif(東京・新宿)だった。バイオマーカー解析とAI技術「バイオAI」により、尿でがんリスクを早期発見する検査や医療機器を開発する。表彰式で、最高執行責任者(COO)の水沼未雅氏は、「我々は癌との戦いに終止符すべくバイオ AI テクノロジーを磨き上げて、これから米国に進出しようとしています。ピッチイベントにはこれまで出ておらず、新しい取り組みでした。私たちの思いを皆さんに届けることができて大変嬉しく思っております。社名は、日本の象徴であるCrain(鶴)とLife(人生)を掛け合わせたものです。日本発のテクノロジーで世界を変える挑戦を続けてまいりますので、引き続きご支援のほどよろしくお願いいたします」と受賞の喜びを表明した。

最優秀賞を受賞したCraifの水沼COO(右)とフォースタートアップスの志水社長(左)

CLIMATE TECH & RESILIENCE部門では、中性子フリー核融合「p-11B核融合」を実現する革新的炉を開発するエネルギー系スタートアップ、LINEAイノベーション(東京・千代田)が受賞した。代表取締役CEOの野尻悠太氏は「このような賞をいただき、ありがとうございます。我々が取り組んでいる核融合はかなり大きなテーマではあります。その実現を目指しているところが、皆様にご評価いただいているのかなと思っております。困難を伴うテーマですが、この受賞を励みに核融合の実現に向けて頑張って参りたいと思います」とコメントした。

CLIMATE TECH & RESILIENCE部門賞を受賞したLINEAイノベーションの野尻CEO(右)とフォースタートアップスの志水社長(左)

FRONTIER TECH部門では、無人衛星内で研究・製造を実施し、成果物を地上へ回収する宇宙環境利用プラットフォームを開発するElevationSpace(仙台市)が受賞した。2030年に退役する国際宇宙ステーション(ISS)の次を見据えた動きの中で、同社の代表取締役CEO、小林稜平氏は「宇宙からの輸送インフラを作っています。非常に分かりづらい分野あるが故に、こうした賞をもらうのはあまり多くありませんでした。戻ってくる技術は、将来的に宇宙に行く上で欠かせない、国の基幹的なインフラになっていくと信じて事業に取り組んでおります。非常に難しい挑戦ではありますが、しっかり日本からグローバルに挑戦していけるよう取り組んでいきたいと思っております。引き続き応援のほどよろしくお願いします」と語った。

FRONTIER TECH部門賞を受賞したElevationSpaceの小林CEO(右)とフォースタートアップスの志水社長(左)

表彰式後、フォースタートアップスの志水雄一郎社長は次のように締めくくりの挨拶を行った。「GRICは日本から世界へ、次のトヨタ、次のソニーをデビューさせていく、そんなカンファレンスを作りたいと思い、創造してまいりました。私は、『変えたい未来に自らを変えよ』というガンジーの言葉が大好きです。その背景にあるのは人の無限大の可能性です。生をを受けている限り一生懸命生きる。文句言う暇があったら、イノベーションを持って社会、未来を変える。その挑戦をしているのがアントレプレナーです。そんな挑戦に溢れた日本を皆さんと共に作っていきたいという思いです。ここにおられるみなさんの中から、新たに世界デビューする。そんな会社も生まれていくという風に思っています。全力で支援します。今年も熱狂をありがとうございました。また、来年も更なる熱狂を生む、そんなGRIC2026 を作ってまいりますので、よろしくお願いします。ありがとうございました」

記事提供元:タビリス