台湾のスタートアップイベント「Meet Taipei 2025」 ピッチ優勝、漁業DXの米Valtec 日本のドローンファンド出資先

ジョルダンニュース編集部

2025年11月20日から22日まで、台湾・台北の花博争艶館(Expo Dome)で、アジア最大級のスタートアップイベント「Meet Taipei 2025」(ミート台北)が盛大に開催された。「Dancing with AI(AIと踊る)」をテーマに、19カ国から国内外のスタートアップやベンチャーキャピタル、行政機関などが集結した。AIがグローバルに、産業構造を変革しつつある状況が示された。

ピッチコンテストの表彰式の記念撮影

本イベントは、メディアの『數位時代』とMeet創業小聚が主催した。今年で12回目だという。

メインイベントの一つ、スタートアップのピッチコンテスト「Neo Star Demo Show」では、230チーム以上の中から選出された30社がセミファイナリストに選出された。このうちAI関連スタートアップが21社を占めた。21日に開催された決勝ラウンドには10社が進出した。

優勝に相当する審査員最優秀賞は、Valtec Technology(米カリフォルニア州)が受賞した。

ピッチコンテストで優勝したValtec Technologyの創業者兼CEOであるJohn Keh氏(右)

Valtec Technologyは、漁師の経験と海面水温、風向、気圧などの様々なデータを組み合わせて魚群の潜在的な位置を特定できるAI予測システムを提供する。同社のシステム「Nemo」がドローンが撮影した画像を分析し、魚群の密度、種類、方向を特定する。漁師の操業に必要な情報を提供し、漁獲効率の向上と燃料消費の削減に貢献する。

Valtec Technologyの創業者兼CEOであるJohn Keh氏は、日本市場への強い関心を表明している。「日本は、最高の海洋機器を作っている。フェーズ2のビジョンは、ソナー、レーダー、衛星マップという異なるデータソースをすべて、私たちの地理空間のドローン・システムと組み合わせることだ。日本のドローン・ファンドは私たちの大口投資家の一人だ」と話す。日本の高性能な海上機器(レーダーやソナー機器)との統合を目指し、AIとドローンを活用した漁業DXを推進するビジョンを語った。

2位には台湾のMesoViewが入った。国立台湾大学の研究室の研究成果を活用している。同社のリアルタイム病理画像システムは、いわば、AIを医師の手術診断における第二の眼にしている。

2位のMesoViewの表彰の様子

3位の台湾Pulxion Medical Technologyは、脳卒中の早期発見を手がける。被験者の首の部分の血管を画像分析することで早期発見できるという。AIを用いて数十秒で診断できる。

3位の台湾Pulxion Medical Technologyの表彰の様子

2位と3位が医療系であることからもわかるように、今回は、さまざまな分野でのAI活用が広がっており、とりわけ医療への応用が目立つことがわかる。スマート医療である。

この栄誉を得た上位3チームには台湾証券取引所から、それぞれ30万台湾ドル、20万台湾ドル、10万台湾ドルの賞金が授与された。

優勝したValtec以外にも日本に縁のあるスタートアップがいた。CICジャパン賞を受賞した、R2C2は以前、CEATECで受賞経験があるという。ロボットの「脳」となるナビゲーションシステムを開発しており、彼らの専門分野は「In-Field Robotics(インフィールド・ロボティクス)」だ。これは、山の中やトンネルの中など、屋外の自然環境で実際に稼働するロボットを意味する。創業者兼CEOのSan Wong氏は、同社のシステムを様々なメーカーのロボットに取り付け、一元化されたプラットフォームを通じて制御することで、異なるロボットやドローンを「チームとして機能させる」ことを可能にすると説明した。

CICジャパン賞を受賞したR2C2創業者兼CEOのSan Wong氏(右)

特に注目すべきは、その技術の宇宙分野への応用ビジョンだ。「将来的に、地球上だけでなく宇宙においても、異なる種類のロボットがチームとして連携する必要があると信じている。月面で応用される可能性があり、対応できている」と話した。

「Meet Taipei 2025」の開会式には、カナダ駐台北貿易代表事務所、アメリカ駐台湾協会、日本台湾交流協会などの代表者が出席し、国際的なネットワークの重要性を強調した。台湾の国家発展委員会の詹方冠・副主任委員は、台湾のスタートアップ企業の資金調達額が2024年、過去最高になったと指摘したうえで、Meet Taipeiの12年間の歴史が、台湾のスタートアップ・エコシステムの進化につながったと評価した。

台湾の国家発展委員会の詹方冠・副主任委員
記事提供元:タビリス