「CES 2026」が米ラスベガスで開幕 AIと量子技術の融合「CES Foundry」を新設
2026/1/8 0:37 ジョルダンニュース編集部

世界最大級のテクノロジー見本市「CES 2026」が1月5日、米ラスベガスで開幕した。開幕に先立ち、ステージでは音楽グループがバックストリートボーイズの曲を披露し、活気に満ちた演出で幕を開けた。続いて、主催者である全米民生技術協会(CTA)のエグゼクティブ・チェア兼最高経営責任者(CEO)を務めるゲーリー・シャピロ氏と、同協会会長のキンジー・ファブリツィオ氏は、今回の主要テーマとして「AI:The Spark of Transformation(人工知能:変革の火花)」を掲げた。

シャピロ氏は、AIを前世紀における電気になぞらえ、次世代のあらゆる産業や家庭、個人の生活を再定義する技術であると強調した。ファブリツィオ氏は、AIが個人のスケジューリングやビジネスの意思決定を支援する不可欠なツールになっていると言及した。

また、今回のCESでは、AIと量子技術の融合を展示する「CES Foundry」会場の新設や、障がい者らの利便性を高める「Accessibility Stage」の設置など、技術の民主化と包摂性も重要な焦点となっている。両氏は、世界中のイノベーターが結集し、AIが単なる概念を超えて実社会で機能する「実体を持った知能」として普及していく未来への期待を表明した。
本番プログラムのオープニング基調講演には、独シーメンスのローランド・ブッシュ社長兼CEOが基調講演に登壇した。ブッシュ氏は、人工知能(AI)を前世紀の電気になぞらえ、「100年に1度の変革をもたらす」と定義した。AIが単なる機能を超え、実世界のインフラや製造現場を動かす「力(force)」へと進化する未来を提示した。
ブッシュ氏は、産業向けAIにおいて「ハルシネーション(誤情報)」は許容されないと強調し、安全性と信頼性を担保した Industrial AI(産業用AI)の重要性を説いた。同社は、物理世界を仮想空間に再現する Digital Twin(デジタルツイン)技術を中核に据え、米エヌビディアとの提携を強化する方針を表明した。

壇上に招かれたエヌビディアのジェンスン・ファン創業者兼CEOは、次世代GPU(画像処理半導体)「Vera Rubin」の開発においてもシーメンスのデジタルツインが不可欠であると言及。両社は、物理法則をAIに学習させる physics AI を通じて、シミュレーション速度を従来の1万倍から10万倍に加速させ、設計や製造の在り方を根本から変える構想を示した。
具体的な導入成果として、米ペプシコの事例が紹介された。同社はシーメンスのデジタルツイン技術を活用し、工場の設計・運用を最適化することで、資本支出を削減することに成功した。また、米マイクロソフトとの連携では、複雑なタスクを自律的に遂行するAIエージェントの活用が進んでおり、英ロールス・ロイスのエンジン部品製造においてプログラミング時間を大幅に短縮し、生産性を30%向上させた。
さらに、エネルギー問題の解決策として、核融合スタートアップのコモンウェルス・フュージョン・システムズへの技術支援や、AIを用いた電力網の安定化策も示された。
ブッシュ氏は、AIが目に見えない社会の「基盤」となり、あらゆる人々に生産性と持続可能性をもたらす時代が到来したと締めくくった。









