「骨太ショック」政府の方針文言が市場を心配させた? 「マーケットに隙をみせてはならない」経済記者が指摘

J-CASTニュース

   片山さつき財務相の「骨太ショック」発言を2026年7月10日放送の「WBS」(テレビ東京)がとりあげ、長期金利が0.2%近く低下、円高が一時1円以上進むなどいわゆる「日本買い」になった要因を分析した。

市場は「日銀の利上げをけん制している」と受け止めた

   番組はこの日の閣議後の片山大臣の会見を振り返る。片山財務相は「皆さんが骨太ショックとして報じられているのは事実」として、金融政策の具体的な手法は日銀法第3条等に基づき日銀にゆだねられるべきと発言した。発端となったのは、政府が6月にまとめた経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)の原案の一部である。「適切な金融政策運営が行われることも非常に重要」という文言が、「日銀の利上げをけん制している」と市場が受け止め、債券売りが進行、利上げが遠のき日本のインフレが進むとの思惑やイラン情勢の不透明感も加わり、骨太ショックといわれる債券売りにつながったと報じる。

火消し役片山財務相「日本の金融資産にさらなる投資を後押し」

   さらに片山財務相は為替を動かす発言もした。

「GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)をはじめとする年金基金による日本の金融資産にさらなる投資をしてもらう方向で後押しする方策を追求したい」

   GPIFは国内債券、外国債券、国内株式、外国株式それぞれ25%保有することを基本ルールとしているが、このGPIFによる国内の金融資産への投資を加速させようという考えを示したのだ。

   「円安の加速を防ぐために今回のようなGPIFのネタやちょっと毛色の違うことをやらないと円安の歯止めはかけられないと考えられている」という市場関係者の声も紹介した。

経済記者「長期金利の大幅な上昇が見過ごせなくなった」

   日本経済新聞コメンテーターの梶原誠さんは一連の動きについて「ひとまず安心している。日銀へのけん制、それから財政悪化懸念、これを受けて円も債券も売られる展開となった。ところが片山大臣はマーケットにちゃんと配慮していますよというメッセージを出した。やはりインフレ懸念、それから将来への利払い負担を膨らませる長期金利の大幅な上昇というものが見過ごせなくなったのではないかと思う」と分析した。

   梶原さんは「高市政権も消費税減税を打ち出している。今年インドネシアで表面化したが、バラマキによる財政悪化が株も通貨も債券も売られるという展開になった。これだけ世界的な金余りであっても、やはりマーケットに隙を見せてはならないと思う」とくぎを刺した。

   国会運営では強硬に進めてきた高市政権も、マーケットの声には従わざるを得なかったか。

(ジャーナリスト 佐藤太郎)

記事提供元:タビリス