カレー店、弁当店が過去最多ペースで消えている 値上げも追いつかず...「CoCo壱」でも1000円超え
2025/6/15 16:00 J-CASTニュース

カレー店、弁当店の倒産が相次いでいる。帝国データバンクによると、2024年度はカレー店13件で過去最多、弁当店も2025年1~5月で22件と過去最多のペースだ。倒産する前に閉店する「あきらめ廃業」も少なくないから、街のカレー専門店や弁当屋さんがどんどん減っているということなのだろう。
肉や野菜の値上がりにコメ騒動が追い打ち
倒産原因の多くは食材費の圧迫で、円安による肉や野菜の値上がりに、「令和の米騒動」が追い打ちをかけた。帝国データバンクが試算している「カレー物価指数」(家庭の1皿当たりのカレー調理費)は、2025年4月時点で429円と1年前より3割以上アップ。前年同月と比べて、ニンジンやジャガイモなどの野菜、肉などの材料費が199円から215円になり、ごはんが92円から182円と2倍になった。
飲食店はさらに人件費、光熱費、家賃も上がっていて、メニューを値上げしても追いつけなくなってしまっているのだ。お手軽に食べられた「CoCo壱番屋」も何度かの値上げで、カレーにトッピングやサラダを追加すると軽く1000円を超え、客数が減り続けている。
鹿児島の駅弁人気販売会社も廃業
街の弁当店は、安い値段でいかにたくさんのメシとおかずを盛るかが勝負だが、それも今は難しい。「近くの安売りスーパーで備蓄米を2000円で買ったけど、5キロばかりじゃ何の助けにもならない」と弁当店の主人は嘆く。九州駅弁グランプリで準グランプリになったこともある、鹿児島中央駅の「桜島灰干し弁当」の販売会社もコメ価格の高騰で廃業に追い込まれた。
定食店はコロナ禍で減った客足が戻ってくる前に、コメの大幅値上がりに見舞われて閉める店が目立つ。
おしゃれなカレー店で女性社員たちがおしゃべりしながらランチしたり、昼休みの合図とともに工場地帯の弁当屋に行列ができたり、学生街の定食屋で大盛り定食をワシワシ食う体育会系がいたりという日本の昼食風景も、なくなっていくのかなあ。
(シニアエディター 関口一喜)