「ジャパンフィンテックウィーク」で選ばれた日本発フィンテックの「新星」 ITイベントレポート:TIDE&WAVE
2025/3/16 15:06 ジョルダンニュース編集部
金融イノベーションの祭典「ジャパンフィンテックウィーク」の期間中に開催されたピッチコンテストでは、日本の未来を担うフィンテック企業がその実力を競い合った。数々のイベントの中でも、特に注目を集めたのが「東京金融賞」「FINOPITCH」「FIN/SUM」の3つのピッチコンテストだ。革新的なテクノロジーとアイデアで社会課題の解決や新たな金融サービスの創出を目指す、気鋭のスタートアップ企業が各賞に輝いた。
東京都が主催する「東京金融賞2024」の金融イノベーション部門では、Fivot(東京・港)が開発した「Flex Capital Invoice」が最高位の栄誉に浴した。同サービスは、AIを活用した独自の与信モデルにより、企業の請求書を担保とした迅速な資金調達を可能にするものだ。審査のスピードアップ、柔軟な資金調達ニーズへの対応など、従来の金融サービスの枠を超えた利便性が評価された。

フィノラボが主催する国内外のフィンテックスタートアップによる「FINOPITCH」では、Noahlogy(東京・文京)の「AI-native PLM for shipping」が国内部門の大賞を受賞した。同サービスは、海運業界の複雑なサプライチェーンに焦点を当て、AIを活用したシステムによってその効率化と課題解決を目指している。金融の力で物流という重要な社会インフラを支えるという、斬新な発想が高く評価された。

日本経済新聞社と金融庁が共催する「FIN/SUM 2025」のピッチコンテスト「インパクトピッチ」では、ヤモリ(東京・渋谷)が最優秀賞にあたる「日経賞」を受賞した。ヤモリは、増加する空き家を再生し、賃貸物件として長期運用する「空き家賃貸ファンド」を構築している。物件探しから運用・管理までを総合的にサポートすることで、個人投資家にとっての不動産投資のハードルを下げると同時に、深刻化する空き家問題という社会課題の解決にも貢献している点が評価された。

各賞を受賞した企業に共通するのは、先進的なテクノロジーを駆使し、従来の金融サービスの枠組みを超えた、より柔軟で革新的なサービスを提供している点だ。これらの企業の挑戦は、日本のフィンテック業界のさらなる発展を促すとともに、社会全体の活性化にも大きく貢献していくことが期待される。
ジョルダンニュース編集部