「オンチェーンで次の文明を創る」スターテイル・渡辺創太の野望 SBIとソニーから100億円調達
2026/4/20 17:23 ジョルダンニュース編集部

デジタル資産のインフラ開発を手掛けるスターテイルグループは4月10日、イベント「Come Brunch with Startale」(TEAMZ2026の公式サイドイベント)を開催した。渡辺創太代表は次世代を見据えた事業戦略を明らかにした。「世界をオンチェーン化することで、次の文明を創る」。渡辺氏は講演の冒頭、力強くそう宣言した。SBIとソニーから100億円調達した挑戦者が見据えるのは、単なる新技術の社会実装ではない。新たな文明の創造である。

足元ではオンチェーン金融の台頭が進み、あらゆるものがトークン化されている。暗号資産にとどまらず、石油、天然ガス、金や銀、インデックスがトークン化され、24時間365日取引可能になりつつある。
「紙、オンライン、オンチェーンが本筋。紙からオンライン取引になった時と同じレベルのインパクトが今後起こってくる」。不可逆的な歴史のうねりが、今まさに起きている。
米国を中心に規制環境の整備は急ピッチで推進されている。ジーニアス法案やクラリティ法案で既存金融機関がオンチェーン金融に参画しやすく環境整備が進み、巨大資本が動き出そうとしている。

彼らの反撃の要は、プラットフォームからアプリまでの垂直統合を通して理想的なUXを実現することだ。スターテイルグループもスーパーアプリであるStartale Appを本日パブリックリリースした。
ウォレット、資産運用、ミニアプリへのアクセスをすべて一つのアプリで完結させる。”One App, Everything at Your Fingertips(1つのアプリで、すべてを指先に)”の体現であり、ユーザーに技術の壁を感じさせない取り組みだ。
また、SBIグループとは日本円のステーブルコインであるJPYSCを開発する。2026年第二四半期をめどとして、ローンチする予定だ。100万円送金制限なしであり、グローバル市場のためのデジタル円を目指す。

「日本円のプレゼンスをグローバルで高め、通貨圏を守る、国際戦争の一環だ」。渡辺氏は語気を強めた。金融機関レベルのコンプライアンスを備え、国際送金やキャリートレードの覇権を狙う。
さらにトークン化証券・RWAなどあらゆる資産の金融特化取引ブロックチェーンであるStriumのテストネット稼働も控える。ソニーグループとはEthereum L2基盤のSoneiumを構築する。
スターテイルグループはこのほど、SBIグループなどから約80億円を調達し、ソニーグループからの20億円と合わせて、総額100億円のシリーズAを完了した。強固な布陣を敷いた彼らが次に見据えるのは、AIが自律的に経済を回す世界だ。
「デジタルな存在のAIは銀行口座を開けないので、ブロックチェーン上にアドレスを持って自律分散的に活動していく」。渡辺氏の予測は極めて現実的だ。
だからこそ、AIエージェントが取引を実行する前提の実装がシステム構築の要となる。複雑な金融規制をどう越えるか。課題は山積しているが、歩みを止める時間はない。

<記者の目>
インフラからアプリまでを自ら作り上げる垂直統合モデルへの転換は、グローバル市場で戦う上で理にかなう。「国際戦争の一環」という言葉には、過去の敗北への強い危機感がにじむ。
AIが自らの財布を持ち経済活動を行う。そんなSFのような予測が、彼らの手で現実になろうとしている。法規制の壁を越え、日本発のプロジェクトが世界標準のインフラとして根付くか。同社の実行力が試されている。









