楽天、ポイント経済圏をリアル店舗へ本格拡張 ファミマと「SPU」で初連携、「最強ポイ活」推進へ
2026/5/26 18:44 ジョルダンニュース編集部

楽天グループは5月22日、主力ポイントプログラム「SPU(スーパーポイントアッププログラム)」の対象サービスに、グループ外企業として初めてファミリーマートを追加すると発表した。全国約1万6000店の店舗網を持つファミリーマートと提携し、月間4,500万人以上のアクティブユーザーを抱え、累計還元が5兆ポイントを超える巨大なデジタル経済圏を実店舗と直結させる。ネットとリアルの垣根を越えた相互送客を通じ、激化する経済圏競争を勝ち抜く「最強ポイ活」戦略を打ち出した。

■ 最大18.5倍の還元率、スマホ月額通信料「実質ゼロ」も
7月1日から、ファミリーマート店舗で月間合計3,000円(税込)以上の買い物をし、会計時に「楽天ポイントカード」を提示すると、その月の「楽天市場」での買い物のポイント付与がプラス0.5倍加算される。これによりSPUの対象は17種類に広がり、最大ポイント還元率は18.5倍に達する。

22日の発表会で、楽天の三木谷浩史代表取締役会長兼社長は「本当にエポックメイキングだ」と意義を強調した。「ファミマで買い物をすると自然と楽天市場のポイントがアップし、楽天ユーザーは自然とファミマでの買い物が増える。新しい形でのオフラインとオンラインのシームレスなつながりを実現できる」と自信を見せた。さらに、楽天モバイルの利用者は楽天市場での買い物のポイントが常にプラス4倍になる点に触れ、「ポイントを通信料金で使っていただくことができれば、実質ゼロになるスマホ通信ができる」と語り、生活コストを総合的に引き下げる構えだ。

■ データが裏付ける「相性の良さ」、ファミマは経済圏の「ハブ」へ
実務を牽引する楽天の河野奈保取締役副社長執行役員グループCMOは、「オフラインのあらゆる所に店舗を持つファミマと組むことで、ユーザーの価値向上につながる」と語った。提携の背景には、過去のキャンペーンで通話アプリ「Rakuten Link」の景品にファミマのシュークリームを使った際の「とてつもない反響」など、データに基づく確かな「相性の良さ」があったという。
一方、ファミリーマートの小谷建夫代表取締役社長は「楽天様のオンラインの利便性と、当社の巨大なリアル店舗網という異なる強みを持つ2つのプラットフォームが高度に融合する」と位置づけ、「デジタルとリアルの双方向で価値を循環させる、真にWin-Winの実現だ」と強調した。足立光エグゼクティブディレクターCMOも「『おむすび』の大型キャンペーンに匹敵する効果が年間を通じて継続される」と語り、店舗が「様々な経済圏の重要なハブへと進化する」と見通しを示した。
【記者の目】激化する通信×小売の陣取り合戦、楽天とファミマのしたたかな計算
楽天が自社のコア・プログラムである「SPU」をグループ外へ開放した背景には、モバイル事業との強いシナジーへの期待がある。日常的なコンビニ決済でポイント倍率が上がる体験は、消費者に経済圏のメリットを体感させる「最強ポイ活」は、巨額投資を続ける通信事業の解約防止と新規獲得の強力な武器となる。

現在、KDDIによるローソンの傘下入りや、ソフトバンクグループのPayPay経済圏拡大など、通信キャリアと小売りの連携が急加速している。かつて大手スーパーの西友に出資してリアル店舗との融合を模索した歴史を持つ楽天は今回、自前の店舗網を持たない代わりに、ポイント付与の負担を分け合ってでもファミリーマートの全国1万6000店に自社の経済圏を直結させる道を選んだ。
一方のファミリーマート側もしたたかだ。質疑応答で他社ポイントとの関係を問われた足立CMOは「基本的にはマルチポイント戦略」「楽天以外とも付き合う」と明言し、全方位外交の姿勢を崩さなかった。特定の経済圏に完全に染まるのではなく、あくまで自社を様々な経済圏の「ハブ」として活用するバランス感覚が見え隠れする。通信キャリアと小売りの連携が次なるフェーズへと進むなか、両社の提携はライバル陣営の打ち手にも少なからず影響を与えるはずだ。









