IVS2026、4年連続で京都開催 ローンチパッドの優勝はスペースクォーターズ 宇宙空間で巨大建造物
2026/7/7 11:21 ジョルダンニュース編集部

国内最大規模のスタートアップカンファレンス「IVS2026」が7月1日から3日まで、京都市で開催された。「IVS2026」の目玉企画で、次世代の起業家の登竜門とされるピッチコンテスト「IVS2026 LAUNCHPAD(ローンチパッド)」では、宇宙空間での建築システム「DAIQ(ダイク)」を開発するSpace Quarters(スペースクォーターズ)が優勝(スタートアップ京都国際賞)した。国内外から500社超の応募があり、人工知能(AI)やロボティクス、宇宙など「ディープテック」分野のスタートアップが上位を占めた。
ローンチパッドには、今年は500社以上のエントリーがあり、海外企業の応募比率も約20%に達した。予選を通過した15社が決勝に進出し、6分間のプレゼンテーションで自社のプロダクトや事業の将来性を競い合った。
優勝したスペースクォーターズ(東京・渋谷)は、ロケットで資材を宇宙に運び、軌道上や月面においてロボットを使って巨大な構造物を直接組み立てる技術を開発している。完成した構造物をロケットに詰め込んで打ち上げる従来の手法と異なり、ロケットのサイズにとらわれない大型の通信アンテナや月面基地の建設が可能になり、宇宙開発における投資対効果(ROI)を抜本的に改善できるという。

2位以下も日本の深刻な社会課題解決や最新テクノロジーを活用した企業が名を連ねた。2位には、身寄りのない単身高齢者などの身元保証を支援する「あかり保証」(清水勇希CEO)が入った。3位は小売業界向け店舗ロボットを展開する「MUSE」(笠置泰孝CEO)。
4位にはトイレ清掃ロボットを開発する「inprog」(宗清直人CEO)、5位はオフラインの製造現場でも稼働する軽量なAI予兆保全デバイスを開発する「ZetaX」(佐藤陽、柳澤京佐共同代表取締役)となった。一般投票で決まる「オーディエンス賞」は、ブライダル業界向けの業務効率化SaaSなどを展開する「TAIAN(タイアン)」(村田磨理子CEO)が受賞した。
審査員からは、「日本の社会課題に真摯に向き合っているビジネスが多かった」との声や、「SaaSからディープテック、AI、宇宙、防衛、リアルビジネスまで、時代の潮流を象徴する産業が反映されている」といった評価が聞かれた。高齢化や人手不足といった国内の社会課題を解決しつつ、日本のものづくりの強みを生かしてグローバル市場へと展開していくスタートアップの躍進に強い期待が集まっている。
国内最大級スタートアップ催し「IVS2026」京都で開幕 岸田元首相「エコシステムの『高さ』」引き上げる
「IVS2026」のオープニングでは、今年のテーマ「Japan is back」に添ったセレモニーが実施された。オープニングセッションには岸田文雄元首相が登壇し、スタートアップ支援の裾野拡大から、今後は世界的な急成長企業を生み出すエコシステムの「高さ」を引き上げる段階に入ったと強調した。自身の政権下で策定した「スタートアップ育成5か年計画」に触れ、「大学発や地方からの起業が増え、裾野は間違いなく広がった」と成果を述べた。その上で今後は「世界的な高成長企業を次々と生み出す段階に進めなければならない」と指摘し、官民が連携して支援の「高さ」を引き上げる必要性を訴えた。

具体的な成長支援策として、M&A(合併・買収)などを視野に入れた出口戦略の多様化や、グローバルネットワークの強化による海外投資家からの資金呼び込みを挙げた。また、開発に長期的な時間と大規模な資金を要する「ディープテック」領域については、初期需要を創出するために防衛調達をはじめとする政府調達の活用を強化すると表明。SBIR(中小企業技術革新制度)を抜本的に強化し、試験導入に向けた新たな枠組みを創設する考えを示した。さらに、資金調達の約8割が東京に集中している現状を課題とし、全国的な起業教育の充実や実証環境の整備を通じて、地方発のエコシステム形成を進めると語った。
スタートアップの集積地を目指す地元の首長も期待を寄せる。西脇隆俊・京都府知事は「京都発の技術が世界をリードすることを示してほしい」と語った。松井孝治・京都市長は「多様なバックグラウンドを持つ人々が交流し、新しいエネルギーや気づきを得て、スタートアップの地平を切り開いてほしい」と歓迎した。

IVS参加人数は13,000人以上、オフィシャルサイドイベント数は360以上と賑わいを見せ、公式システム経由のマッチング成立数は4,000以上だったという。









