スウェーデン紀行 水と森の都からオーロラ舞う極北へ 観光セミナー報告
2026/11/1 16:59 ジョルダンニュース編集部

日本とスウェーデンが国交を結んで150余年、両国は自然への敬意や日常の幸せを慈しむ共通の価値観を育んできました。昨年、全日本空輸(ANA)による羽田・ストックホルム(アーランダ空港)直行便が週3便の通年運航(所要約13〜14時間)で就航し、ぐっと身近になりました。就航以来、日本人宿泊者数は急伸し、大きな注目を集めています。ストックホルム市観光局などはこのほど、東京都内のボルボのショールームで、観光セミナーを開催しました。洗練された北欧の空気が満ちる中、旅情あふれる最新事情が紹介されました。物語の世界を旅するように、その贅沢な魅力をお届けします。
■物語が生まれた街――宮崎駿監督が愛した風景と少女の面影
旅の始まりは水の都ストックホルム。14の島々が橋で結ばれ、「緑地」「水辺」「市街地」が3分の1ずつを占める調和を誇ります。アーランダ空港から特急「アーランダ・エクスプレス」でわずか20分で都心へ到着します。セミナーで担当者が語ってくれたのが、アニメーション映画の巨匠・宮崎駿監督にまつわるエピソードでした。スウェーデンでも日本のアニメは大人気ですが、名作の背景にもスウェーデンの風土が息づいています。スクリーンに映画『魔女の宅急便』のイラストが映し出されると会場は温かな空気に包まれました。キキが暮らす港町コリコ。海沿いに赤褐色の屋根が並び時計塔がそびえる佇まいは、ストックホルムやゴットランド島から着想を得たと言われています。特にノーベル賞晩餐会の舞台となる市庁舎は、コリコ市の市庁舎にそっくりな姿をしています。現在市内では、22の”聖地”を巡る「キキのツアー」が日本語でも楽しめます。

さらに宮崎監督が児童文学作家リンドグレーンさんの『長くつ下のピッピ』を愛し、かつてアニメ化を熱望して訪れた歴史も紹介されました。快活なピッピと北欧の情景が海を越えて名匠を刺激し、名作へと結実していったのです。1912年五輪走者金栗四三氏の絆や王立公園の桜並木のように、両国は自然や伝統への敬意を深く共有しています。
■水辺の散歩道と世界最長のアート――洗練と歴史が息づく首都
街歩きは共通カード1枚で地下鉄、トラム、バス、フェリーまで利用できます。通貨はスウェーデン・クローナですが、キャッシュレス化が進み英語が通じるため安心です。歴史を歩くなら約800年前に築かれた旧市街「ガムラスタン」へ。中世の小径に可愛いカフェが並びます。水辺の「市庁舎」ではノーベル賞晩餐会の「青の間」を見学でき、塔の上からは大パノラマが広がります。「ドロットニングホルム宮殿」、「森の墓地」、バイキング遺跡「ビルカ」の3つの世界遺産も揃います。

や「ABBAザ・ミュージアム」に加え、100以上の駅にアートが施された地下鉄は「世界最長のアートミュージアム」と呼ばれます。足を伸ばせば約3万の島々からなる群島が広がり、グランピングや要塞、磁器博物館、アーティペラーグ美術館など島巡りが待っています。「IKEA」や「H&M」、「アクネ・ストゥディオズ」、さらに「Spotify」まで世界的な創造性が街に息づきます。


■人口密度400分の1の別世界へ――スウェーデン・ラップランドの神秘
都会を満喫した後は国内線で北極圏「スウェーデン・ラップランド」へ向かいましょう。アーランダ空港で乗り継げます。面積9万8000平方キロメートルと国土の約25%を占めるこの地に暮らすのは、わずか約25万人にすぎません。静寂が広がっています。ルーレオ近郊の世界遺産「ガンメルスタードの教会街」には約400軒の赤い木造小屋が並び、12月13日の「聖ルシア祭」では幻想的な光の儀式が行われます。また地盤沈下から歴史を守るため、木造教会ごと街を5km移転させている鉱山都市「キルナ」の都市再生も注目です。
■氷の宮殿から水鏡オーロラまで――奇跡に逢える大自然のステイ
通年営業の「アイスホテル365」では氷の客室に滞在でき、日本人デザイナー斉藤名津子氏と斉藤真吾氏が手掛けたアートスイート「A GENTLE LIGHT(優しい光)」も人々を魅了しています。川に浮かぶサウナホテル「アークティック・バス」や「ツリーホテル」も絵本のような別世界です。夜空にはオーロラが待っています。8月下旬から翌年4月まで観賞可能で、特に湖面凍結前の秋(9〜10月)には、空の光が水面に映り込む「ダブルオーロラ(水鏡オーロラ)」の絶景に出逢えます。白夜、金の卵型サウナ「ソーラー・エッグ」、トナカイとの触れ合いなど感動が溢れます。


■甘いお菓子と温かな対話「フィーカ」――暮らしをほぐす魔法
セミナー後半では、スウェーデンの伝統的なお茶の時間が「フィーカ(Fika)」が行われました。手を休め、仲間と甘い焼き菓子を囲んで穏やかに対話を楽しむ心豊かな習慣です。「シナモンロール」とコーヒーを美味しくいただきました。

■次の旅は、心が深呼吸するスウェーデンへ
羽田から直行便で結ばれたスウェーデン。宮崎駿監督が心惹かれた水辺の街並みから、オーロラが揺れる極北の静寂、日々のフィーカの優しさまで――。自然のリズムに身を委ね、心とゆっくり向き合う旅へ出かけてみませんか?
(ジョルダンニュース編集部)









