越境は“体験”から“組織の変化”へ「越境トレンド2025」人材流動化が進む今、ローンディールが見る越境の現在地
2025/12/26 0:56 PR TIMES

近年、越境は単なる学習や体験の機会から、組織や事業に変化をもたらす実践的な取り組みへと進化しています。本リリースでは、越境を取り巻く社会的背景とともに、ローンディールの3事業における越境者の推移や属性、越境先での業務内容から、その現在地を読み解きます。
◼︎越境は「個人の挑戦」から「組織戦略」へ──政策と企業を巻き込む転機
企業人材の越境は、いま新たな転機を迎えています。背景にあるのは、日本企業におけるイノベーション人材不足や人材の固定化といった構造的課題です。こうした課題に対し、組織や業界の枠を越えて実務に関わり、異なる視点や経験を持ち帰る「越境」は、企業変革を促す有効な手段として注目されてきました。この動きは近年、企業の自発的な取り組みにとどまらず、政策レベルでも明確に後押しされています。2025年3月には経済産業省から、越境学習の事例集や伴走者ガイドラインが公表され、越境を「個人任せの学習」ではなく、企業が意図的に設計・支援する人材施策として位置づけられました。また、総務省が推進する地域活性化企業人制度などを通じ、組織や地域の境界を越えた人材流動化も進んでいます。
こうした変化を背景に、越境は「外に出てみる経験」から、実務を通じて新たな視点やスキルを獲得し、その経験を組織に還元する実践的な取り組みへと一層深まってきました。越境は今、企業と社会の双方から期待される形で“社会実装”の段階に入りつつあります。
◼︎越境者は増え、担い手も変わった──数の拡大とミドルシニア・女性の台頭
[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/15387/160/15387-160-39abeed495e24505963685eb1517fed9-2598x1772.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]図1:年間の越境人材の人数の変化本パートで扱う越境は、出向を活用して大企業人材がベンチャー企業の現場で新たな価値を生み出す「レンタル移籍」と、業務時間の20%・3か月という期間で越境に挑戦する「side project(サイドプロジェクト)」を中心としています。いずれも、社外での実践経験を通じて新たな価値を生み、その経験を組織に還元することを目的としたプログラムです。
越境の広がりは、まず数の面で明確に表れています(図1)。ローンディールが提供する3つの越境支援事業を通じた越境者数は、直近3年間で着実に増加しており、越境が一過性の取り組みではなく、企業にとって継続的に活用される人材施策として定着し始めていることが読み取れます。特に2025年は、レンタル移籍におけるリピート導入の増加や、side projectの新規導入拡大が重なりました。またオンライン越境プログラム「outsight(アウトサイト)」では、公募型企業内研修のラインナップとして導入され、参加者が累計100名を超えた企業もあります。越境が「試行」から「活用・定着」の段階へと移行していることが、数字からも裏付けられています。
[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/15387/160/15387-160-aec0fb21a44f7ba45bb7215ac24775b4-2598x1601.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]図2:越境人材の年齢内訳
あわせて、越境の担い手にも大きな変化が見られます(図2)。2025年は、ミドルシニア層(50代以上)の参加が顕著に増加しました。2024年には全体の1.8%にとどまっていたミドルシニア層の比率は、2025年には13.0%へと大きく上昇しています。
この変化の背景には、定年延長や役割の変化を背景としたミドルシニアのキャリア自律という社会的テーマがあります。企業側では、豊富な経験や専門性を持つ人材をいかに活かし続けるかが重要な課題となる一方、個人側でも「これまでの経験を別の形で活かしたい」「社外との関わりを通じて自分の可能性を広げたい」という意識が高まりつつあります。越境は、こうした双方の課題意識が交差する現実的な選択肢として機能し始めています。特に、公募型で参加できるside projectでは、個人が主体的に手を挙げるケースも多く、ミドルシニア層における意識変化が数字にも表れています。
参考記事:50代からの「越境」という選択肢 | 住友生命・臼田明生さんが見つけた「社会の中での“のびしろ”」
また、女性の越境者も増加傾向にあります。side projectにおける女性比率は、2024年の23.1%から2025年には30.8%へと上昇しました。レンタル移籍においても、2024年の13.3%から2025年は22.0%となり、前年から拡大しています。
期間や関わり方を選べる越境は、ライフイベントを経験しながらもキャリアへの挑戦を続けたい女性にとって、安心感のある選択肢として機能しています。企業内で公募型の越境施策が広がることで、「手を挙げれば挑戦できる」環境が整い、働き続けながらキャリアの幅を広げたいニーズと合致している状況がうかがえます。
このように、越境は数の拡大に加え、担い手の年齢や性別においても広がりを見せています。特に2025年は、ミドルシニア層の本格的な参加が進み、越境が若手中心の施策から、人生やキャリアの節目にある人材を含めた、より多様な人材に開かれた取り組みへと移行していることが明確になりました。
◼︎越境先は事業の中核へ──越境のフィールドは多職種に広がる
[画像3: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/15387/160/15387-160-955f9d73796038e8b07b0a2c6c7532c7-2598x1677.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]図3:越境人材の越境先での業務内容越境先での業務内容を見ると、越境がより幅広い層に開かれたフェーズに入っていることがより鮮明になります(図3)。営業・マーケティング、新規事業開発、経営・事業戦略といった事業の中核領域をはじめ、IT・システム開発やコーポレート領域など、越境のフィールドは幅広く広がっています。
年間約150名の越境者が、それぞれの専門性を活かしながら実務に関与しており、越境は、表層的な学習にとどまらず、越境者が自身の強みを活かして貢献できる領域と、新たに挑戦すべき領域を見極めながら関わることで、具体的な成果につながる取り組みとして機能しています。
このように、越境はもはや一部の人材による特別な取り組みではなく、企業と個人の変化を支える実践的な人材・組織開発の手法として定着し始めています。ローンディールは今後も、越境を通じて人と組織が新たな可能性に出会い、変化を実装していくプロセスを支援し続けてまいります。
参考情報:
■株式会社ローンディールについて「越境」をコンセプトに、人材育成・イノベーション創出・キャリア自律等、企業の人事・組織課題に応じた複数の事業を展開しています。創業事業である「レンタル移籍」は2015年9月にサービスを開始し、2025年12月現在、導入企業は日産自動車・経済産業省・野村證券など大企業82社、387名となっています。
オープンイノベーションの仕掛けとしても注目され、2019年に内閣府が主催する第一回日本オープンイノベーション大賞において「選考委員会特別賞」を受賞しています。その他、2020年「グッドデザイン賞 ビジネスモデル部門」、2024年「キャリアオーナーシップ経営AWARD2024」人事/HRの変革部門(中堅・中小企業の部)最優秀賞など、多数の受賞歴があります。
【主な事業】
- レンタル移籍:https://loandeal.jp/大企業の人材を半年~1年間ベンチャー企業の事業に参画させ育成する、次世代リーダー向けプログラム
- outsight:https://outsight.jp/オンラインでベンチャー企業の経営者と議論を交わす他流試合プログラム
- side project:https://sideproject.jp/20%・3ヶ月ベンチャー企業のプロジェクトに参加する社外兼務型研修プログラム
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記事提供元:タビリス









