「セブンイレブン」のオワコン化が始まった 「上げ底弁当」だけじゃない日本人が行かなくなった理由
2026/8/14 19:10 J-CASTニュース

コンビニ業界の「絶対王者」として長く君臨してきた「セブンイレブン」の苦戦が続いている。ライバルのローソンやファミリーマートがお得感を前面に押し出す一方、セブンにはネット上で「高い」「量が少ない」といった不満が根強くあり、それが客離れにつながったとの指摘もある。
さらに、コンビニより安いミニスーパーが都市部で店舗を増やしており、新たな競争相手になっている。セブンイレブンに何が起きているのか。
セブンから客がどんどん減っている
売上の伸び、客数、利益の各面で競合に押され、王者セブンの牙城が崩れつつある。
2026年2月期のチェーン全店売上高は、セブンが5兆4693億円で前期比1.9%増。ファミマは3兆3002億円で1.7%増、ローソンは3兆223億円で4.5%増だった。規模ではセブンが他を圧倒するが、既存店では売上高1.2%増、客数0.9%減。ローソンは売上高4.5%増、客数0.8%増と伸び、ファミマも客数1.2%減ながら売上高は3.0%増とセブンを上回った。
売上高はローソンの好調が目立ったが、利益でも明暗が分かれた。セブンの国内コンビニ事業の営業利益は2225億円で前期比4.7%減。一方、ファミマは連結事業利益が1002億円となり、過去最高を更新した。加盟店利益はセブンが2年連続で減少したのに対し、ローソンは7年連続で増えている。
直近の動きでは、5月のセブンは既存店売上高2.7%増、客数0.8%増と持ち直したが、6月は売上高横ばい、客数3.5%減となり、やはり苦戦から抜け出せない状況だ。
長らくヒット商品なし...後手後手にまわるセブン
セブン苦戦の背景として指摘されるのが、価格と量についてのイメージだ。
ネット上では以前から、弁当などの容器を巡る「上げ底」批判や、価格をほぼ変えずに内容量が減っている「サイレント値上げ」への不満が根強くあった。現在でも「セブンはおいしいが高い、少ない」という印象を持つ消費者は少なくない。
対照的なのがライバルだ。ファミマは価格据え置きで内容量を増やす「40%増量作戦」を人気企画に育て、2026年は創立45周年に合わせた「45%増量作戦」を展開した。ローソンも「盛りすぎチャレンジ」を繰り返し、2026年6月には創業51周年にちなんで、重量などを約51%増量した商品を投入。対象のスイーツやファストフードなどが好調だった。
物価高で消費者が価格に敏感になるなか、「お値段そのままで増量」という分かりやすいサービスは強い。セブンも「感謝盛り」などの増量フェアで追走しているが、消費者のコスパ重視に寄り添った戦略において、後手に回った感は否めない。ローソンやファミマの増量企画と比べて、浸透度でも劣っている印象だ。
また、かつてセブンの大きな武器だったのが商品開発力だ。2013年に本格展開した「セブンカフェ」は大ヒットし、コンビニでコーヒーを買う習慣を広く定着させた。
近年も店内で揚げるカレーパンやドーナツ、焼きたてパン、ピザなど「できたて」商品を強化している。味を評価する声は少なくないものの、セブンカフェのようなヒットはまだ見えていない。
一方、ローソンは増量企画やスイーツ、ファミマは「ファミチキ」に加えて衣料品、アニメなどとのコラボにも力を入れる。「便利だから寄る」だけでなく、「これがあるから行く」という理由をつくる競争が激化し、セブンが遅れを取っているように見える。
「ちょっと買うならコンビニ」が崩れる、新たなライバル出現
さらに追い打ちをかけるように、コンビニに新たなライバルが登場した。「ミニスーパー」という新たな競争相手が力をつけている。
代表的なのが、都市部で店舗を急増させているイオン系のミニスーパー「まいばすけっと」だ。牛乳や卵、野菜、総菜、飲料などを少し買うだけなら、コンビニと同じような身近さで、より安く済ませられる。
ローソンもこの変化に動いた。2026年5月、東京・小平市に新業態「Lミニマート」を開業。生鮮品や日配品、冷凍食品などを手頃な価格でそろえ、首都圏型ミニスーパーの実証実験に乗り出した。
これまでコンビニが得意としてきた「近所でちょっと買う」という需要を、ミニスーパーに奪われ始めたという構図だ。コンビニより価格が安いミニスーパーの台頭は、消費者に「高い」という印象を持たれているセブンにとって大きな逆風になりかねない。
もちろんセブンも手をこまねいてはいない。経営体制を刷新し、手頃な価格帯の商品を強化するなど、必死の巻き返しを進めている。ただ、安さを求めるならミニスーパーがあり、お得感や話題性ではローソンやファミマが攻勢を強める。セブンの「絶対王者」の座が揺らいでいるのは間違いない。
このまま国内最大のコンビニが「オワコン」化へ突き進んでしまうのか。それとも、再び「セブンだから行く」と消費者に思わせる商品やサービスを生み出せるのか。王者にとって今が正念場になっている。









