世界では16%減、日本は18%増 2012年→2026年の新gTLD申請を比較 一度撤退した「.docomo」「.dunlop」も再登場、日本84件の72.6%がブランドTLD

PR TIMES

一般向けTLDはわずか21件、そのうち17件が競合

株式会社インターリンク(以下、インターリンク)は、ICANN(Internet Corporation for Assigned Names and Numbers)が2026年10月7日の「Reveal Day」で公開した新gTLD申請データをもとに、日本からの申請状況を2012年ラウンドと比較・調査しました。
[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/6942/604/6942-604-6e50b6aa880790d91faabe056be1d8a5-1642x958.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
2012年ラウンドでは世界全体で1,930件、日本から71件の申請がありました。2026年ラウンドでは世界全体の申請が1,615件と約16%減少した一方、日本からの申請は84件と約18%増加。世界全体とは逆に、日本では新gTLDへの申請が増えていることが分かりました。

さらに日本からの84件を調べると、61件(72.6%)がブランドTLDで、ブランドTLD・コミュニティTLDに該当しない一般向けTLDは21件(25.0%)にとどまりました。また、この一般向けTLD21件のうち17件(81.0%)は、同じ文字列を海外事業者なども申請する競合状態となっています。

世界は約16%減、日本は約18%増
2012年と2026年の申請件数を比較すると、世界と日本で対照的な結果となりました。
[表1: https://prtimes.jp/data/corp/6942/table/604_1_27fc68878af66e95efd7c42ad3c6be53.jpg?v=202610210345 ]

2012年ラウンドは、企業名やブランド名、一般名称、地理的名称など幅広い文字列を対象に大規模な新gTLD申請が実施された最初のラウンドでした。日本からは71件が申請されています。
14年ぶりとなった2026年ラウンドでは、世界全体の申請件数が減少した一方、日本の申請件数は増加しました。
出典:ICANN - 2026 Round Reveal Day / Program statistics https://www.icann.org/en/announcements/details/icann-reveals-2026-round-applications-for-new-generic-top-level-domains-07-10-2026-en

日本からの84件、72.6%がブランドTLD
日本から申請された84件を分類すると、以下の結果となりました。
[表2: https://prtimes.jp/data/corp/6942/table/604_2_0f38f67be204176ef737e8059213ed66.jpg?v=202610210345 ]
出典:ICANN「New gTLD Program: 2026 Round」公開申請データをもとに株式会社インターリンクが集計(2026年10月7日公開データ)

ブランドTLDは、企業やブランドが自社で利用することを主な目的としたTLDです。ICANNのSpecification 13では、ブランドTLDのドメイン名登録者はレジストリ運営者、その関連会社、商標ライセンシーなどに限定されています。

一方、本調査では、ブランドTLDおよびコミュニティTLDに該当しない申請を、便宜上「一般向けTLD」と表記しています。一般向けTLDであっても、最終的に誰でも無条件に登録できることが確定しているわけではなく、登録条件が設定される可能性があります。本リリースでは、ブランド企業による専用利用を前提としない申請群を示す表現として使用しています。

日本からの申請件数は2012年より増加したものの、一般向けTLDは全体の4分の1にすぎず、日本の新gTLD申請がブランドTLDに大きく偏っていることが分かりました。
出典:ICANN - Specification 13 https://newgtlds.icann.org/en/applicants/agb/base-agreement-contracting/specification-13-applications

日本から申請された一般向けTLD21件を全調査、17件が競合
日本から申請された一般向けTLD21件について、ICANNがReveal Dayに公開した同一文字列の競合状況を調査しました。
[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/6942/604/6942-604-eac83547a2fdd00e3edeb30d146a9a1c-1619x971.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
[表3: https://prtimes.jp/data/corp/6942/table/604_3_077896a9d7e5d43a98060681ec2be160.jpg?v=202610210345 ]
※競合件数は、2026年10月7日のReveal Day時点で、同一のPrimary Stringを申請した件数を当社が集計したものです。今後の手続きにより競合状況は変わる可能性があります。ICANNは11月17日のString Confirmation Dayに更新された競合セットを公開する予定です。

21件の一般向けTLDの申請者を見ると、XRegistry Incorporatedが14件、XServer Cloud Incorporatedが5件、インターリンクの子会社であるISIIが2件で、日本からの一般向けTLD申請は3社に集中しています。さらに、単独申請は「.bldg」「.neko」「.sns」「.株式会社」の4件だけで、17件、81.0%が競合しています。

例えばインターリンクの子会社ISIIが申請した「.lab」には7件の申請があり、海外事業者との競合となっています。このため、審査や競合解決の結果によっては、ISIIではなく海外の事業者が「.lab」のレジストリ運営者になる可能性があります。

Reveal Dayの公開データを当社が集計した「日本から84件」という数字だけでは見えてこない、「一般ユーザー向けのTLDがどれだけ誕生するのか」「そのうちどれだけを日本のレジストリが運営できるのか」については、今後の審査・競合解決を見守る必要があります。
出典:ICANN - Reveal Day contention sets https://newgtldprogram.icann.org/en/application-rounds/round2/reveal-day-contention-sets.csv

一度撤退した「.docomo」が14年ぶりに再申請
ブランドTLDでは、2012年と2026年の両ラウンドを比較することで興味深い動きも確認できました。
NTTドコモは2012年ラウンドで「.docomo」を申請し、Initial Evaluation(初期審査)を通過しましたが、その後申請を取り下げました。JPRSがまとめた2014年11月14日時点の日本の申請状況でも、「.docomo」は「取り下げ等」に分類されています。

しかし2026年ラウンドでは、NTT DOCOMO, INC.が「.docomo」をブランドTLDとして再び申請しています。一度は取得を断念したブランドTLDを、14年後にあらためて申請する動きは、企業におけるブランドTLDの位置付けの変化を示す事例の一つと考えられます。
出典:ICANN - 2012 .docomo application status https://gtldresult.icann.org/applicationstatus/applicationdetails/1424
出典:JPRS「新gTLD関連報告」(2014年11月19日、14ページ) https://www.nic.ad.jp/ja/materials/icann-report/20141119-ICANN/3-endo.pdf

ブランドは移ったがTLDは引き継がれなかった「.dunlop」
「.dunlop」も、2012年ラウンドと2026年ラウンドをつなぐ特徴的な事例です。
2012年ラウンドで「.dunlop」を取得・運営したのは米Goodyearでした。ICANNとのRegistry Agreementは2015年7月に締結され、ブランドTLDとして運営されていました。

その後、住友ゴム工業は2025年、Goodyearから欧州・北米・オセアニアにおける四輪タイヤのDUNLOP商標権などを取得しました。DUNLOPブランド部分の取得額は5億2,600万ドル(発表時換算826億円)で、取引は2025年5月7日に完了しています。

一方、ブランドの権利が住友ゴム工業へ移った後も「.dunlop」のRegistry Agreementは承継されず、Goodyearは2025年7月9日にICANNへ契約終了を通知。10月21日にルートゾーンから削除され、11月25日にRegistry Agreementが終了しました。

そして2026年ラウンドでは、住友ゴム工業があらためて「.dunlop」を申請しています。商標・ブランド資産の移転と、TLDというインターネット上の資産の扱いが必ずしも一体ではないことを示す事例でもあります。
出典:ICANN - Terminated Registry Agreement (.dunlop) https://www.icann.org/en/registry-agreements/terminated/dunlop
出典:住友ゴム工業 - DUNLOPブランド取得 https://www.srigroup.co.jp/newsrelease/2025/sri/2025_004.html

多くが撤退、それでも企業はなぜブランドTLDに戻るのか
2012年ラウンドでは、ブランドTLD向けの契約条件「Specification 13」が494件のRegistry Agreementに適用されました。ICANN自身も、この494件という統計には、その後契約を終了したTLDが差し引かれていないと注記しています。

インターリンクがICANNの公開情報を調査したところ、このうち124件、約25%がすでにRegistry Agreementを終了しています。ブランドTLDには相応のコストも必要です。2012年ラウンドの申請料は1件18万5,000ドルで、取得後もICANNに年間2万5,000ドルの固定費が発生します。これにRegistry Service Provider(RSP)などの運用コストが加わります。

例えばバックエンドの運用費を年間2万ドルと仮定したモデルケースでは、2012年ラウンドから現在までブランドTLDを維持してきた場合、申請料を含む総費用は1TLDあたり約65万~72万ドル規模になります。実際の金額は契約時期やRSPの料金などによって異なります。

再申請が映す、ブランドTLDをめぐる企業戦略の変化
2026年ラウンドで日本から申請された84件のうち72.6%をブランドTLDが占めたことは、今後の企業のWeb戦略、ブランド戦略を考えるうえでも注目すべき動きといえそうです。
出典:ICANN「New gTLD Program: 2026 Round」公開申請データをもとに株式会社インターリンクが集計(2026年10月7日公開データ) https://newgtldprogram-aps.icann.org/applications

「.ninja」を海外に取られたのは痛恨の極み 日本発の言葉を、日本のレジストリから世界へ
インターリンクには、2012年ラウンドから抱いているもう一つの思いがあります。
世界でも広く知られる日本語由来の言葉「ninja(忍者)」は、2012年ラウンドで海外企業United TLD Holdco Ltd.が申請し、2013年に「.ninja」として委任されました。現在のレジストリ運営者は、米国のDog Beach, LLC(Identity Digital)です。

インターリンク代表の横山は、次のようにコメントしています。
「2012年ラウンドで、世界に通じる日本語『ninja』が海外のレジストリから提供されることになったのは、当社にとって痛恨の極みでした。日本語由来の言葉は、できる限り日本のレジストリから世界へ送り出したい。そして日本発のTLDとして、国内だけでなく世界中のユーザーに長く使われるものに育てていきたいと考えています。」

インターリンクの子会社ISIIが今回申請した一般向けTLD「.neko」も、こうした考えの延長線上にあります。新gTLDは単なるドメイン名の末尾ではなく、言葉や文化をインターネット上でどのように世界へ広げていくかという側面も持っています。インターリンクは、日本から生まれ、世界でも親しまれている言葉を、日本のレジストリとして世界へ発信していくことを目指します。
出典:ICANN - .ninja Registry Agreement https://itp.cdn.icann.org/en/files/registry-agreements/ninja/ninja-agmt-html-redline-07nov13-en.htm

調査概要
[表4: https://prtimes.jp/data/corp/6942/table/604_4_04957795c09ff23f4131967e92792138.jpg?v=202610210345 ]
※2026年ラウンドは現在も審査前のプロセス中であり、申請文字列や競合状況は今後変更される可能性があります。ICANNは2026年11月17日に最終的な文字列一覧と更新した競合セットを公開する予定です。
出典:ICANN - 2026 Round milestones https://www.icann.org/en/announcements/details/icann-announces-date-for-reveal-day-and-other-2026-round-milestones-29-09-2026-en

会社概要
株式会社インターリンクシステム創成研究所(略称:ISII)
https://isii.tech/
株式会社インターリンクの子会社。高速で安定的な通信、サイバーセキュリティなどに関する研究のほか、インターネット上のドメイン名の管理・運営を行っています。

株式会社インターリンク
https://www.interlink.or.jp/
日本のインターネット黎明期である1995年よりサービスを開始した、今年で31年目を迎えた老舗ISP。2000年よりドメイン名登録事業を開始、2006年10月、日本で8社目のICANN公認レジストラに認定されました。2014年1月、Googleの日本におけるレジストラパートナーとして日本語初の新gTLD「.みんな」の登録受付を開始。「.moe」「.earth」「.osaka」などのTLDを運営しています。ドメイン登録サービス「ゴンベエドメイン」では、世界各国・地域のドメインを取り扱っています。2020年6月1日、本社オフィスを閉鎖し、ノマドワーク(テレワーク+WeWork)体制に移行。2022年5月16日より週休3日制度を試験導入しています。2026年4月1日からは、コーポレートサイト(https://www.interlink.or.jp/)をAI向けに最適化した「AI-Firstホームページ」として公開しています。

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記事提供元:タビリス