10倍堪能!海外旅行の超スキル⑧ 1回1冊、旅ノートの勧め 小柳淳

ジョルダンニュース編集部

旅は準備(前)、旅そのもの(中)、想い出(後)と3回楽しめます。準備は漏れなく、しかも手間暇はかけずに進めたい。旅が終わったら、良かったところや面白かったことなどを思い出す。1回の旅に1冊旅ノートを作ると旅がすっきりと整理できる。

準備と旅なかで使うノート


 旅行すると決めたら、ノートを買って記録を始める。パソコンでプリントする資料はA4なので、それを折って挟めるサイズがいい。私は「トラベラーズノート」という製品を愛用している。A4の3分の1サイズだ。他のブランドもいくつかあるのでお好みで。
 また、ホテルや飛行機を調べたり、予約するプロセスを記録しておきたい。どの部分がネットの直接予約で、どれが旅行会社手配なのかもメモしておく。料金もメモしておく。持ち物の準備も始まる。何が必要で何が不足しているか、毎度毎度考えるより一覧表があれば手間は減る。そこで自分の旅スタイルに合わせて予めワープロソフトにひな形を作っておいて、旅ごとにそれをカスタマイズする。私はMS-WORDでA4横向き、三段組にしてノートサイズに合わせるようにしている。

旅ノート用ワープロデータはA4橫三段組

データ記載のひな形を作り、手間を省く


 このひな形には次のようなデータは初めから入れておく。パスポート番号と有効期限、クレジットカード番号と有効期限そして紛失時の連絡先、持ち物リスト、家族の携帯番号とメールアドレス、航空会社のマイル番号、重要なWEBサイトのIDとパスワードなどだ。毎回これらを書き出すのは時間の無駄だしミスのもとだ。
 旅ごとのデータは宿泊ホテル、航空便、列車時刻、大使館など現地緊急連絡先などだ。データができたらプリントして三分の一に切りノートに貼る。それから、衣類・服装をメモしておくと荷物整理に便利だし、次の旅の参考になる。旅行費用・お小遣いメモも書き始める。お土産リストも役に立つ。このあたりは手書きで空白ページに書いてゆく。

歩いた経路、写真撮りの位置と向き、キップ類も貼る

略図やイラストを添えて旅日記に


 ひな形には旅情報が入っているが、大半は白ページだ。出発後はノートが旅日記になる。街の印象や地元の人との会話、空港からの交通や列車の様子や遅れなども。一休みしたカフェやホテルに戻った夜などの隙間時間を使う。文字だけでなく歩いたルートは略図で描いてゆく。そのため4色ボールペンを使って混乱しないようにしている。絵や地図を描くのは苦手と思う人もいるかもしれない。でも、これは他人に見せるものではなく自分の備忘録なので、上手くなくても記憶の助けになればいいのだ。また、写真を撮った場所や向きを小さな矢印で略図に書き込んでおく。デジカメには撮影時刻が1コマごとに記録されているので、略図とあわせて記録がすっきりする。こうしておくと、帰国後にアルバムを作るときになどかなり楽になる。

服装メモ、お土産(これは自分用)、食事のイラストなどなんでも

 食事をしたレストランでメニューをメモしておくのもよいが、同行する妻がある時から料理のイラストを描くようになった。私にとってちょっと苦手だった食事の記録がこれでグンと楽になった。ノート余白には、美術館やお城の入場券、鉄道キップなどを貼り付けてしまう。ノートが華やかになるし、後で見ると旅の想い出が豊かによみがえる。
(写真:小柳淳)

小柳淳(こやなぎ・じゅん):1958年東京都生まれ。東京都立大学法学部卒。海外渡航122回、国内未踏3県。交通、旅行、ホテル業などを経て、旅行作家。VISIT JAPAN大使、日本旅行作家協会会員、日本香港協会理事。著書に『旅のことばを読む』、『香港ストリート物語』など。

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記事提供元:タビリス