川越の観光の魅力、すべて教えます⑦ 関東三大祭りの1つ、川越まつりに酔いしれよう!

ジョルダンニュース編集部

 川越まつりは、江戸時代から続く、絢爛豪華な山車とお囃子が有名なお祭りです。
 毎年、10月の第3土日に行われています。令和2年と3年には、新型コロナの流行により開催されませんでしたが、令和4年には3年ぶりに開催され、多くの観光客で賑わいました。
 今年は10月の14日と15日に実施が予定されています。

川越の大通りに連なって輝く夜の山車

江戸時代に始まり、世界無形文化遺産にも登録


 このお祭りは、17世紀の江戸時代、当時の川越城城主「松平信綱」が、地元の総鎮守である氷川神社に、神輿や祭礼具を寄進して祭礼を奨励したことから始まったと言われています。これは、茨城県石岡市と千葉県佐原市のお祭りと並んで「関東三大祭」の一つに数えられ、ユネスコによる無形文化遺産にも登録されています。

神様が乗り移るとされる山車は全部で29台


 川越では、市内の自治会が独自の山車を持っており、全部で28台あります。また、山車を持っていない自治会の子供たちにも、祭りの期間中に山車を曳かせてあげるために、川越市が1台持っています。例年、全部で29台ある山車の約半数が川越の街を練り歩き、10年毎の節目の年には全ての山車が街に出ます(令和4年は市制100周年の節目の年でした)。
 それぞれの山車の上には、等身大の人形が立っており、祭りの期間中、それぞれの自治会の神様が一時的に乗り宿っていると考えられています。人形のモデルは、山車によって異なります。徳川家康など歴史上の人物が多いですが、神話上の人物もいます。

美しく装飾された川越まつりの山車(人形のモデルは徳川家光)

 なお、蔵造の町並みで有名な、川越の一番街にある川越まつり会館では、常時、実際に祭りで使われる本物の山車2台が飾られています。定期的に入れ替えられており、訪問時期によって違った山車を見ることができます。華麗な幕や精巧な彫刻が施された、高さ8mの山車の迫力には圧倒されます。

首都圏で山車が見られるのは、珍しい


 明治時代以降、東京では、都市化により空中に電線が張られるなどの理由により、背の高い山車を使ったお祭りが減り、神輿を中心としたお祭りに変わっていきました。川越の観光の大通りである一番街では、電線を地下に埋設するなどして、山車が通りやすい環境を残しています。東京に近い場所で、山車が練り歩くお祭りがみられるのは、大変珍しく貴重です。

夜空に映える祭りのハイライト「曳っかわせ」


 お祭りのハイライトは、夜に行われる「曳っかわせ(ひっかわせ)」です。ライトアップされた複数の豪華な山車が、交差点で正面を向いて対面し、歌や踊りで盛り上がるイベントです。これはお囃子の優劣や勝負を決めるものではなく、それぞれの神様どうしの対面・ご挨拶と考えられています。
 熱気あふれるお祭りのエネルギーを分けてもらえます。
 先ほど紹介した「川越まつり会館」の1階フロアでは、曳っかわせの様子が描かれた垂れ幕が飾られており、盛り上がった祭りの雰囲気を知ることができます。

川越まつり会館に飾られている、曳っかわせの様子を写した垂れ幕

祭りの余韻に浸りつつ、帰りは特急で新宿まで一直線


 夜が更けるまで祭りを楽しんだ後、帰りは西武鉄道の特急でゆったりと座って帰りましょう。終点の西武新宿まで1時間もかかりません。名物さつまいもチップスをおつまみに、地元産のKOEDOビールを飲みながら、祭りの余韻に浸っている間に都内に着くことができます。
 川越まつりは、首都圏では珍しく、豪華な山車とお囃子が楽しめるお祭りです。今から10月の14日または15日は、予定を空けておきましょう。お祭りの熱気と雰囲気を肌で感じることができ、きっと楽しい思い出になることでしょう。

最寄り駅:川越駅(JR、東武東上線)、川越市駅(東武東上線)、本川越駅(西武新宿線)
小江戸川越観光協会URL:https://koedo.or.jp
※この記事には個人的感想を含みます。

この項は最終回です。次回からは秩父編がスタートします。

田中信行(たなか・のぶゆき):1968年東京都生まれ、埼玉県育ち。埼玉大卒。全国通訳案内士、総合旅行業務取扱管理者。ローカルな観光を盛り上げるため、通訳ガイドとしての活動を目指しているほか、観光地の魅力を紹介する執筆活動も行っている。

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記事提供元:タビリス