10倍堪能！海外旅行の超スキル⑲　荷物が出てこない！　発生率1％以下でも旅に支障小柳淳

2023/4/3 10:58 ジョルダンニュース編集部

　飛行機が目的地空港に着く。降機し、入国審査を済ませ、預け荷物受取所へ。ベルトコンベアのようなターンテーブルがゴトゴト動き始める。大小のスーツケースやバッグ、箱類がクルクル回ってくる。自分の荷物はまだかなっと思いながら目の前を流れてゆく荷物を見つめる。ひとつ、またひとつと持主の手に引き上げられ、ターンテーブルが空いてくる。

飛行機への荷物積込、このあと乗継空港へ

自分は想定外と思うが意外に「ある」事態

　最後になっても自分の荷物がない、そんなことがあるのだ。これはロストバゲージ（ロスバゲ）という事態だ。話には聞いていても、自分のこととして想像する人は少ないだろう。でも、残念ながらロスバゲは時々発生している。2022年12月にフィギュアスケート全日本選手権に出場するためにカナダから日本に飛んだ三浦璃来・木原龍一ペアが、ロスバゲにより選手権を欠場したニュースも記憶に新しい。私も2回経験した。色々な情報をみると発生率は1％を少し下回るくらいだろうか。私の旅行数からも0.8％くらいだ。
　預け荷物は空港でのチェックイン後、分類、旅客機への積込、乗継空港での積替を経て目的地空港で旅客の手に戻る。空港と航空会社が主に関与するが、付加価値税還付が絡むと荷物のチェックインだけ税関が扱う場合もある。ロスバゲは直行便より乗継便の方がリスクは高まる。特に乗継空港の悪天候などで到着が遅れると、旅客本人は乗継便に間に合っても、荷物が積みきれなくて届かないという事態もある。スケートの三浦・木原ペアのときも大雪遅延だったし、私は乗継地が大雨のときだった。

到着してBaggage reclaimで荷物を受取り

予防と対策　直行便を選ぶ、必需品は機内持ち込みに

　ロスバゲは運みたいな面もあるけれど、予防する方法もある。まず、なるべく直行便を選ぶことだ。直行便のない目的地の場合で乗継便のときは、乗継時間に余裕のある便を選ぶ。フランスのリヨンに行ったときは仕事だったので、乗継でリヨンに飛ばずパリで降機し、特急列車TGVでリヨンに向かった。商談のときにスーツ、ネクタイなどが無い事態は許されないし、日本から着たままの服ではシワシワになってしまう。
　また、ロスバゲになっても被害を最小化する準備もしておく。常備薬や化粧品は機内持込バッグに入れておく。その他に1、2日間程度の必需品もだ。カメラやスマートフォンの充電器やケーブルは少なくとも往路では機内持込みにする。外国で日本仕様のそれらを買うのは相当大変だ。万が一ロスバゲになったら、預け荷物受取所にいる利用航空会社の職員にその旨をすぐ伝える。その時に聞かれる、荷物の色、サイズ、メーカー、名札の有無は覚えておくかメモしておく。荷物が発見されたときは指定の場所へ届けられるので、宿泊ホテルの名称や住所を英文で書けることも大切だ。