10倍堪能！海外旅行の超スキル㉕　旅の警戒モードへ　小柳淳

2023/7/3 13:02 ジョルダンニュース編集部

　旅行者を狙うスリ、かっぱらい。気をつけよう、とよく言われるけれどどのように気をつけるかが難しい。ボンヤリしないで歩くことは基本だけれど、それ以外にどうしたらよいか、考えてみた。

旅行者と思わせず、意識は後方や左右に

　まずは、街を歩く、バスや電車に乗る、そんなときのスタイルから。治安の割合良好な日本での暮らしに慣れていると気づきにくい盲点がある。地図やガイドブックを広げてキョロキョロするのは、自分は旅行者ですよと示しているようなもの。これにはスマートフォンやタブレットを見ながら歩くことも同じ。電車で座れても居眠りは厳禁。バッグのフタやファスナーはきちんと閉め、行動中はときどき手を添えたり、押したりしている。これだけでも、軽く警戒しているモードに見える。歩いているときは、意識を少しだけ後方や左右に向けておく。これが自然体でできると、ガードの効いた姿勢となる。スリなどは同じ狙うならボーっとしている人をマークするはず。カップルでの旅なら、手をつないでいるといい。「危険」や「早く！」などを伝えるのは口で言うより伝達が速い。

路上で地図を見る。軽く警戒モードで！

治安は立地　便利な場所でも安全でない地域も

　同じ都市内でも、治安のよいエリアとそうでないところがある。これはどの国、地域でもおおむね当てはまる。都市によっては、移民の多い地区や、貧困層エリアがあったりもする。移民や貧困者イコール犯罪者では決してないが、残念ながら治安が悪いことも事実。よく言われるのは、ターミナル駅の周辺は危ないとか、商店などが途切れて人の目が少なくなる通りが危ないなどだ。でも、土地勘のない旅行者にはそこを見極めるのが難しい。日本国内でも、いかがわしかったり、治安がよくなかったりする場所には足を踏み入れないだろう。事情がよくわからない海外ならなおさらこうした地域は避けるべきだ。

魅力的な路地、治安の見極めは難しい。ローマの通り

　事前にホテルを予約する際は立地に注意したい。駅やバスターミナルに近くて便利と思ってもあまり安全でない地域もある。候補ホテルの場所が分かったら地図で周囲をよく見る。このとき、グーグルマップのストリートビューが意外と便利だ。平面の地図と違って、道の構造や様子が見える。両側が擁壁で建物が途切れていたり、商店などが少なく人気が薄かったり廃屋や閉店店舗が目に付くところも危ない。安全チェックなので、傷んだ建物が多くないか、視線を遮る構造の通りではないか、往来する人は多いか、そういう観点での利用をお勧めする。また、ストリートビューは昼間の映像が多いが、同じ場所が暗くなったらどうなるかも想像してみる。ただ、リアルタイム映像ではない点には注意が必要で、参考として考えた方がいい。